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君が幸せでありますように。9

「星夜…どこっ…星夜…」 姿が見えなかったカイさんの声が聞こえた… 俺の前ではとても冷静でそんな声なんて…俺よりも深く傷ついてしまっていることに今更ながらに気付く…悔しい…辛い…なんで俺は…唇を噛み締め拳を握る…俺がもっと強ければ…俺がもっと… 「早く店長のところに行ってあげてください…」 今のカイさんに俺の姿を見せると…ダメだ…急いで病室に戻る。扉を閉めズルズルと腰を下ろした。 涙が溢れて止まらない…あんなに苦しそうな…すがるような声なんて俺は聞いたことがない…こんなにも苦しい…神楽坂さんのいう言葉が重くのしかかる…俺がいる方が辛い…だったら…しばらくはカイさんの前に姿を表すことなんてできない 「クソっ…何で…俺じゃないんだ…何で…何もできないんだ…くそっ…くそっ…」 何度も床を叩いた。 ゆっくり立ち上がり布団に潜り込んだ…溢れる涙を拭って一時でも離れることを決めた… それからどれくらい経っただろう…部屋にもう一度カイさんがやってきた…俺の顔を見ると辛いはずなのに… 部屋に来たカイさんはもういつもの笑顔だった… 「蓮華。大丈夫?」 「てんちょ。大丈夫ですよ。俺打たれ強いから」 少しほっとしたようにカイさんがふわりと笑った… 「そう」 「調子がいいみたいなので後二、三日すれば退院だそうです」 「よかった」 そしてしばらく店には来られないことを告げた それから少し会話をしカイさんは相馬さんに支えられながら帰って行った カイさんの心の傷が癒えますように…

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