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君が幸せでありますように。11

とうとうカイさんの綺麗な目からこぼれ落ちた涙をそっと拭う。 そして…深く口付けた…カイさんの言葉を待つ 「蓮華…ごめんね…朝陽くんの元へ星夜を返してあげないとならないことはわかってる…でも…俺は…まだ星夜から離れたくない…辛い思いする時は必ずくると思う…でも…星夜が側にいてくれるまではその腕の中にいたい…本当は朝陽くんに返したくない…今はまだ…だから…側にいさせて?」 わかってる…カイさんにとってどれだけ相馬さんが大きな存在なのか…そんなの…前からわかってる…でも…そう簡単に諦められるものではない… 「わかってます…カイさん…もしその時が来たら俺迎えに行きます…俺待ってます…」 本当に俺は酷いと思う…カイさんはそんな時なんて来ない方がいいって思っているのに…こんな言葉なんて… 「ありがと…気持ちだけ受け取っておくね…蓮華にはもっといい人いるよ。こんなに弱い自分勝手な俺なんかよりずっと…だから…待たないで…」 そんなのいる訳ないのに…カイさんしか俺にはいないのに… 「っ…じゃ…諦められるように…俺を抱いて下さい…」 「それは…」 戸惑い悩むカイさんに捲し立てる 「一度でいい…一度でいいから…」 優しいカイさんに漬け込む俺は…どうかしてると思う…カイさんを苦しめたくないのに…苦しめている… 「わかった…」 何てあさはかな願いをしてしまったんだろう…後悔をしてしまうことが待っているなんて…その時は気付いていない… カイさんに口付けられただけでこんなにも熱くなる…思わず声が漏れてしまう…カイさんが服の中に手を入れ肌に触れる…カイさんに…好きな人に触れられてる… 「んっ…」 「感じやすいんだね…蓮華…」 妖艶な笑みを浮かべるカイさんに見惚れる…やっぱり綺麗だ… 「だって…カイさんだから…あっ…カイさん…」 カイさんが胸の突起で遊びながら俺の状態を起こす…すると誰もいないはずなのに物音がした 恐る恐る振り返ると相馬さんが呆然と立っていた…とても辛そうな顔をしている…俺は間違っていた…相馬さんはちゃんとカイさんが好きなのだ…どうしよう…どうしよう…俺のせいで… 「相馬さん」 カイさんは動けないでいた。俺の服をきつく握りながら小刻みに震えていた… 「ごめん…連絡取れなかったから心配になってここまで来ちゃったけど必要なかったみたいですね。じゃ、お邪魔しました」 いつもの相馬さんらしくない…ちゃんと説明しなくちゃ… 「相馬さん!待って!」 相馬さんが走り去る。追いかけたかったが掴まれて動けなかった…

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