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君が幸せでありますように。13

「はい」 「朝早くからすいません。如月です」 「どうしました?」 「今お時間大丈夫ですか?」 「はい」 相馬さんとは仕事の関係で連絡先を交換していた。近くのカフェで待ち合わせ話をする 「朝早くからすいません…」 「いえ。大丈夫です」 「昨日のことなんですが…あれは…俺が無理矢理お願いしたんです…俺告白したんです。でも断られちゃって…」 相馬さんは静かに聞いていた 「最後に抱いて欲しいとすがりました…カイさんは優しいからそれに応じてくれただけなんです…」 「俺にどうして欲しいんですか?このまま目の前から立ち去った方がいいですか?」 まさかそう問われるとは思っていなくて素直な気持ちを話す 「正直…そうして欲しいです…でもやっぱりカイさんはあなたじゃないとダメみたいです…」 「…」 「カイさんの元へ戻ってもらえませんか?」 祈るように相馬さんを見つめる…頷いて欲しいような欲しくないような…複雑な気持ちだった。 「俺はカイから離れませんよ。カイがどんなことしたってどうせ許してしまう」 よかった…またカイさんが笑ってくれる…カイさんが幸せでいてくれる。良かった 思わず笑みが溢れる 「カイが頼れるのは俺だけだと思っていました。でも如月さんだってカイにとって必要な人です。カイが甘えられる人です。だから…あなたにとっては拷問のようなものかもしれないけどカイの側にいてくれませんか?」 俺の辛さなんてカイさんや相馬さんに比べたら小さい…全然辛くないと言えば嘘になるけど俺ができることをカイさんへするだけ。側にいたいからいるだけ 「それは勿論です。カイさんは俺にとって恩人ですから」 「ありがとうございます」 相馬さんの優しい眼差しはカイさんと似ていた。俺より年下のはずなのに…俺よりずっと大人だ… カイさんが幸せでありますように…

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