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君が幸せでありますように。14

翌日、カイさんは昨日よりはいくらか元気になっていたが何か考えているのかぼんやりしていた 「カイさん何かありました?」 俺は余計なことをしてしまったのだろうか… 「仲直り出来たよ。俺のそばにいてくれるって…」 「だったらなんでそんなぼんやりしてるんですか?」 「星夜がね仕事で2ヶ月後海外に行くんだって…」 「え!?」 「行ったら二、三ヶ月は戻って来れないみたい…」 「…」 「でもね…俺に付いて来て欲しいって行ってくれたんだ…」 「だったら…」 「本当は付いていきたい…でも俺はこの店が大切でやっとの思いで持つことができた大切な場所でここを離れたくないんだ…どうしても…離れたくない…」 「店のことなら俺に任せて行ったらいい。相馬さんにはカイさんが必要なんだから。カイさんの特別な場所は俺にとっても特別です。だから…」 「…でも…私情で付いて行くなんて間違ってると思う。俺には俺のしなければならないことがある」 「カイさん…」 2ヶ月後とは言え2人が離れてしまうことは本当に正しいのか?俺にはわからなかった。 悩んだ末カイさんは残ることを選び見送りにも行かなかった。 「よかったんですか?見送り行かなくて」 「うん。行ったら行かないでって言っちゃいそうだし離れたくなくなっちゃうから…さっ!仕事仕事。今日からイベントだよ」 「はい」 カイさんは仕事に没頭した。 相馬さんいなくなって最初は泣いていたのを俺は知っている。 他のキャストの子は知らないけれど閉店後みんなを返した後毎日のように… 最初は気づかないふりをいていたけれどあまりにも苦しくてカイさんの側に黙って座っていた。 どうしようもなく辛そうな時はそっと髪を撫でたり肩を抱いたりした。 「蓮華…ありがと」 「いえ。俺はこのくらいしか出来ないから」 その後次第に泣くことはなくなりしっかり仕事をこなしていた それでもふと相馬さんを思い出しては 「星夜…元気かな?…」 そう寂しげに笑っていた

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