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宵闇の向こう側…2

向かうよう指示されたマンション。 店が所有している一室へたどり着く インターホンを押す 「malice de l'angeから来ました。なずなです」 源氏名をつけるということだったが僕は自分の本名でいいと伝えた。なずなはどんなところでも生きていける強い花の名。この名前が昔は女みたいで嫌いだった。でも今は好きだ。どんなところでも強く生きていける気がするから 「いらっしゃい」 「よろしくお願いします」 中から出て来たのはある有名俳優だった。 老若男女問わず人気がある大物であまりテレビを見ない僕でさえ知っていた 結婚もしていないのでとても不思議だったが…その理由は簡単なことだった 若い男が好きだから…でもやはりこれだけ大物になると世間の声は厳しい。いくら同性婚が許された今でさえ… 彼は最初から最後まで本当に優しかった。 「なずなくん…可愛いね…」 「あっ…もっと…欲しい…」 僕は初めてなのに彼のテクニックに溺れていた。 こんなに気持ちいいなんて思いもしなかった。 僕は今までは普通に女の子が好きだったはずなのに気持ちよすぎてもうなんでもよくなった 「はぁん…あっ…」 「初めてなのにこんなになって…いいね…」 その日は延長までしてもらい気づけば朝だった。 「おはよ。なずなくん。大丈夫?」 「は…い…」 「あぁ…ごめんねぇ…声枯れちゃったね…」 「だい…じょ…ぶ…です…あの…凄く気持ちよかったです」 「顔真っ赤だよ…かわいい…」 彼はそっとキスをしてくれた。とても優しくて暖かくて思わず微笑んだ。 「なずなくんは今日限定なの?」 「正直そのつもりでした…でも…あなたにまた会えるのなら…頑張れそう…」 「かわいい…ありがとう…必ずまた来るから…だから…何があっても信じて?」 「…?…はい…」 その日の午後。テレビで大々的に報道されたいた…彼が結婚をしたと…相手は一般の女性だった。 何故か涙がこぼれた…たった一晩だけ…でもたったそれだけで僕は彼に惚れていた… 「なずな。これからどうする?」 先輩の叔父であるオーナーに呼ばれた。 「あの人が来る時だけ店に入ってくれてもいいし他の人相手にしてもいいというならそれでもいい。今回は無理に入ってもらったから」 「続けさせてください。まだ何の技術もありませんがそれでもここで使ってもらえるのなら…。正直寮の家賃や光熱費は払わなくていいのは魅力ですし…」 「わかった。じゃあ特例だけどこれからよろしくね」 オーナーはとても優しい人。先輩とよく似ていた。身寄りのない僕を何かと気遣ってくれた ご飯に連れて行ってくれたり遊びに連れて行ってくれたり家族のように接してくれた。 それからはどんな客でも相手をした。男性も女性も多くの人の…お陰で技術だけはどんどん身に付き気づけばNo.1になっていた。

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