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宵闇の向こう側…4
「初めまして。malice de l'angeなずなです」
「はじめまして」
見たことはある。マルチにこなす若手の子だ
「なずなさん。何か飲みます?」
「いえ。いらないです」
初めて入る客は大体速攻でベッドで僕を抱くのが普通だったから彼の行動が新鮮だった
「相馬さん大人気ですね」
当たり障りない話をする
「周りのおかげです。みんなが支えてくれるから。1人じゃ到底無理ですよ」
自分より若い子はたくさん相手して来たがみんな自分が凄いからだと思っていて横着な子も多い中彼の言葉に驚き目を見開いた
「どうしました?」
「若いのに落ち着いてるなって思って」
「そんなことないですよ」
「そろそろ始めましょうか?時間もったいないですし」
「別に話してるだけでもいいですよ。何かなずなさん顔色悪いし」
「どうもないですよ」
「ちょっとごめんなさい」
そういうと彼は額を合わせて来た
「やっぱり。熱っぽいですよ」
「そんなことは…」
確かに今日は体がだるかった。でも今日は激しい客ばかりだったから疲れただけだと思っていた
「確か救急箱ありましたよね…
あった…体温計もある。なずなさん。熱計ってください」
「大丈夫です」
「客の言うことは絶対なんでしょ?はい」
いやいや熱を測ると結構高かった
「なんで気付いてないんですか!もう…無理はダメですよ。ほら寝てください」
「いや…でも…あっ…ならチェンジしましょうか?」
「いいです。なずなさんまたお客さん取っちゃうでしょ。だから休んでください」
「だめです。それじゃ意味がない」
「ん〜…なら俺が一緒に居たいからってことじゃダメですか?」
「いやいや…それじゃダメでしょ」
「ご飯食べました?」
「ちょっと…相馬さん」
「食べました?」
「いえ…まだ…」
「じゃあ作るので出来るまで寝ててください…って…材料ない…ちょっと買って来ますから」
「ダメですよ」
「客の言うことは絶対でしょ。大人しくして居てください…あ…オーナーに電話しないと…もしもし。なずなさん延長で。時間…予約次何時ですか?…なずなさんちょっと熱があって…この後キャンセルできます?はい。はい。わかりました。俺ちょっと出るんですけどラストまでお願いします」
「ちょっと…相馬さん!」
「これでこれからは俺の時間です。お金払ってるから勝手に帰るとかダメですから。いいですか?ここで寝ていてください」
一方的に言われベッドへ沈んだ。お金払ってるって言われたらどうしようもない…
大人しく横になる。思いの外体が参っていたのかあっという間に眠りに落ちた
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