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宵闇の向こう側…12
星夜が会いに来てくれる度星夜への想いは募る
「星夜…好き…好き…」
「うん。ありがとう」
「早く星夜だけのものになりたい…」
「もう少しだからね。なず」
「うん。待ってる…」
星夜…早く…迎えに来て…
僕だけしか見えなくなって…
星夜の表情が会うたび変わっていたのに僕は気付いていなかった…
星夜と出会い約一年ほどたっただろうか…
「星夜…いつ迎えに来てくれる?」
「もう少し。明日朝早くから仕事入ってるから今日はもう帰るね」
この日を最後に星夜は僕を指名しなくなった…
それと同じ時期、どこかの社長さんが芸能人の友人の紹介でこの店を利用しその後何度か指名された。
彼は星夜よりも多くのお金を落としたがそれは僕限定だった。
彼は有名な華稜院グループの傘下である会社の社長さん。
優しい眼差しや手つきが星夜によく似ていた…
でもとても忙しい人だったから月に1、2度ほどしか来なかった
彼は出会って数回で身請けしたいと言った。星夜に会えなくなって1年後のことだった
迎える準備をするからそれが終わったら迎えに来ると言っていた。
もう誰も信じない…信じなければ痛い思いはしない…僕は愛されない…誰にも…
あの人にも…星夜にも…裏切られた…僕が何をしたの…?好きで好きでたまらなかっただけなのに…どうして…?
その思いはある噂でさらに募る…星夜に恋人ができた…しかもそれはこの店の新人の誰も相手したことない子。初めての客が星夜だっただけの子…どうして…一度しか会っていないのにそんな簡単に身請けしてもらえたの?
僕と何が違ったの?あんなに長い時間愛し合ったのに…あんなに…
涙が止まらなかった…
どうして…みんな…僕を選んでくれないの…?
どうせ彼だって…僕の目の前から消えるんだ…他の人を選ぶんだ…信じない…
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