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宵闇の向こう側…30

星夜をここに閉じ込めて10日くらい。 毎日星夜と一緒にご飯食べて…お風呂に入って…一緒にご飯食べて…抱き合って… 楽しくてしょうがない。 でも…壊したいのに星夜はまだ瞳に強い光を宿している… 「星夜はやっぱりそう簡単に壊れないなぁ…早く壊れたら良いのに」 「なず。俺は壊されてやらない。俺は帰らなければならないところがある」 まだ恋人のこと考えてるの…気に入らない… どうしてそれを僕には向けてくれなかったの? 「煩いよ…星夜」 「なずが本当に欲しいものは何?」 「だから…星夜が壊れるところ…」 どんなコネやお金を使ったって本当に欲しいものは手には入らないんだから… だから一緒に壊れてよ。僕から全てを奪ったんだよ。星夜。僕しか見えなくなってよ… 大切なものは手に入らないって屈辱を味わってよ…絶望してよ… 「違うだろ?本当はもう気付いているんだろう?」 諭すような…わかったようなことを言わないで… 「…うるさい…煩い煩い煩い煩い!」 「なず。俺にこんなことしても虚しいだけだよ」 「煩い!!!」 手が痛くて星夜を叩いてしまったんだと遅れて気づいた 「星夜…僕にはもう何もないんだよ…」 「…」 「知ったような口叩かないで!!星夜なんかに判る訳ない」 ガチャ 聞こえるはずのない音が聞こえる。まるであの日のように固まった… この部屋の鍵を持っているのは僕と…あの人だけ… …心臓が五月蝿いくらい鳴る。痛い…痛い…どうして…どうして…

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