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宵闇の向こう側…32

あまりにも予想外の行動に大人しく鍵を渡してしまった。そして…保科さんの手によって星夜の拘束が解かれた… 「動けるかい?今朝陽くん呼ぶから」 「朝陽さんをご存知なんですか?」 「彼の幼少期から知っている。華陵院とは一緒に仕事をさせてもらっているから。本当に申し訳ないことをした。なずなに変わって謝らせて下さい…話したら直ぐに警察へ行かせるから少しだけ時間を下さい」 「警察なんていいです。俺は大丈夫ですからそれよりもなずなの側にいて欲しいです。なずなの話を聞いてあげて下さい」 「…ありがとう…」 目の前では僕の存在がないように会話がされている 「イヤだ…イヤだ…イヤだ…」 保科さんがもう一度優しく抱き締め優しく囁く… 「なずな…なずな…大丈夫だから…俺が側にいるから…あんなに酷い事をして言うべきではないのだけれど…でも…俺は君を離したくないんだ…なずな…ごめん…ごめんな…」 側にいてくれるの?本当に?夢じゃない?嘘じゃない?もう捨てない? 「うわーーーーっ…保科さん…保科さん…うぇ…エッ…ぐっ…保科さぁん…」 「大丈夫だよ」 僕の背中を子供をあやすように優しく叩きながら保科さんが囁き続ける。 そうしているうちに部屋のインターホンが押される。

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