386 / 690
宵闇の向こう側…40
莉音に安心感があったのは雰囲気が少し保科さんに似ていたからなのだろう
「なずなさん。ここを出てもまた遊びに来てください。外でもデートしたいですね」
「だぁめ。デートなんて。莉音でもダメ」
「えーっいいじゃないですか。友達なんだし」
「んー…わかった…行くときは絶対に連絡寄越せよ」
「もう…人の物に手なんて出しませんよ。でもまた兄さんがなずなさんを傷付けたり離れたりしたら容赦しませんけど」
「それはないから」
「ごちそうさま。ところで本日はこちらにお泊まりになりますか?」
「いや。もう帰るよ。みんなの顔もみられたことだし」
「かしこまりました。なずなさん。何かあればいつでも話聞きますからね」
「ありがとう」
そのまま邸を後にした
「驚かせてごめんね」
「大丈夫です。莉音ならこの家任せられそうですね」
「いっちゃった…」
「莉音さま…」
「ん?」
「あの…なずな様のこと…」
「うん。好きだったよ。なずなさんはあの時のこと覚えてないだろうけど…相手が兄さんで良かった…」
そんな会話があってたなんて知るのはずっと先のこと…
ともだちにシェアしよう!