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あなたに会えたから 3
莉音に会えなくなったけれど俺は歌い続けた。
夢を叶えるために…
天国の莉音の母に届くよう…離れた莉音に届くよう…
莉音が笑っていられますように…そう思いながら
あの時もらったピンは俺のお守りになった
その後年齢を重ねていき恋人がいたこともあった。
告白されれば付き合ったし別れを切り出されたらすぐに応じた。
誰と付き合っても莉音の影を追っては違うと思いそれがあるからかみんな自分を見ていない俺に愛想を尽かし離れていった
悲しくもないし苦しくもない。
高校を卒業しバイトを掛け持ちしながら路上で歌うことも増えた。
そんなことを続けていた時凛ちゃんにスカウトされた。
社長さんだなんて思わなかったから知らされた時はとても驚いた
デビューまではあっという間だった
デビュー曲は幸いヒットした
莉音が聞いてくれているといいな…デビュー曲は莉音と莉音の母を思って書いた曲だから
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