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あなたに会えたから 4
毎日忙しく過ごしていた
そんなとき同じ事務所だとは知っていたけれど会ったことがなかった華陵院さんに出会った
彼はいつも柔らかく笑ってて仕事にも真っ直ぐで…とても…綺麗で…
莉音に似てると思った
それからどうにか仲良くなりたくて何度も話しかけていくがなかなかうまくいかなかった
それがいつしか好きだという気持ちに変わっていった
好きだから何でも知りたかった。
だから華陵院さんの家を見つけ出したし良く行っていた店も見付けた
最近朝陽さんの元気がない…どうしたんだろう?
ここ最近笑っているけれどどこか疲れたような顔をしている朝陽さんが気になった
「華稜院さん。お疲れ様です」
「お疲れ様。霞くん。さっきの歌番組の収録見てたよ」
「見てくれてたんですか?ありがとうございます」
見てくれていたことがとても嬉しかった
「ため息なんてついてどうしたんですか?」
「ちょっと疲れちゃってるかも」
「あんまり無理しちゃダメですよ。今度オススメの場所あるんで一緒に行きましょうね」
「うん。ありがとう」
朝陽さんはそれ以上踏み込ませてくれなかった
それでも気になって後をつけた。
朝陽さんはあるバーヘ向かった。
近くにあった喫茶店で少し時間を潰しそのバーヘ足を踏み入れた。
偶然だと思ってもらえたら話が出来るかもしれない…
「あれぇ?華稜院さん」
朝陽さんが驚いたように僕をみていた。誰かと一緒に飲んでいた。撮影で何度かみたことがあるカメラマンさんたちだった
「蘇芳さん。土門さん。お疲れ様です。皆さんここよく来るんですか?」
「もう随分長いこときてるよ」
「俺稀城さんに紹介されて初めてここにきたんです」
そんなの嘘だ。確かに稀城さんは番組で一緒になることは多いし他の人よりは会話もする。
それは俺が歌手として稀城さんを尊敬しているからでプライベートのことなんて聞ける仲ではない
「そうなんだね」
「僕はこれから予定があるからこれで。またですね。蘇芳さん。土門さん。霞くんごゆっくり」
ただ一緒に飲みたかっただけなのに…
「華陵院さん!」
朝陽さんは俺が来たらすぐに席をたった
朝陽さんを呼んだけれど気付かなかったのかそのまま出ていった
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