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あなたに会えたから 5
「あーあ…華稜院さんと飲みたかったのにな…俺も帰ろうかな…」
思わず舌打ちしていた。
あわてて取り繕ったけれど気付かれていないかな…
朝陽さん帰っちゃったし俺も帰ろう…
そう思ったのに…
「霞。せっかく来たんだから一緒に飲もうぜ。お前強いのか?」
蘇芳さんに呼び止められたので渋々座った。すると肩を捕まれてしまった
「蘇芳さん酔ってます?」
「いや。若者と飲みたい気分なんだ。付き合えよ」
逆らうことが許されない視線に圧倒され頷いた
「はい」
しばらく他愛な話をしながら酒を煽る
「お前朝陽狙ってんの?」
「いや…事務所の先輩だから仲良くしたいんですよ。華稜院さんってすごい演技派だし色々聞いてみたくて」
仲良くなりたいだけだから嘘はついてない
「そうか」
「だけど中々一緒に食事とか行けなくて」
「まぁあいつ忙しいからなしょうがないだろ」
「せっかく明日俺もオフだったのにな…」
明日は休みだったはず…
朝陽さんのスケジュールは頭に入ってる。
「朝陽さんって恋人いるんですかね?」
「いるんじゃねぇ?あいつ美人だし性格もいいしな」
やだな…朝陽さんの恋人って…ずるい…
「…俺がいるのに…」
俺とはあまり話もしてくれないのに…
そのあとは覚えていない。そのまま店を後にして朝陽さんのマンションへ向かう。
朝陽さんの部屋は…電気がついていない…もう眠ってる?恋人のところに行っているのだろうか…
何かやだ…でももう遅いし一旦帰宅して目が覚めもう一度向かった
でも…部屋に戻っていなさそう…数時間そこにいたけれど帰ってくる様子もなかった
空を仰ぎ帰宅した。俺は明日も休みだ…明日の入り時間に合わせてもう一度来てみよう
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