393 / 690

あなたに会えたから 5

「あーあ…華稜院さんと飲みたかったのにな…俺も帰ろうかな…」 思わず舌打ちしていた。 あわてて取り繕ったけれど気付かれていないかな… 朝陽さん帰っちゃったし俺も帰ろう… そう思ったのに… 「霞。せっかく来たんだから一緒に飲もうぜ。お前強いのか?」 蘇芳さんに呼び止められたので渋々座った。すると肩を捕まれてしまった 「蘇芳さん酔ってます?」 「いや。若者と飲みたい気分なんだ。付き合えよ」 逆らうことが許されない視線に圧倒され頷いた 「はい」 しばらく他愛な話をしながら酒を煽る 「お前朝陽狙ってんの?」 「いや…事務所の先輩だから仲良くしたいんですよ。華稜院さんってすごい演技派だし色々聞いてみたくて」 仲良くなりたいだけだから嘘はついてない 「そうか」 「だけど中々一緒に食事とか行けなくて」 「まぁあいつ忙しいからなしょうがないだろ」 「せっかく明日俺もオフだったのにな…」 明日は休みだったはず… 朝陽さんのスケジュールは頭に入ってる。 「朝陽さんって恋人いるんですかね?」 「いるんじゃねぇ?あいつ美人だし性格もいいしな」 やだな…朝陽さんの恋人って…ずるい… 「…俺がいるのに…」 俺とはあまり話もしてくれないのに… そのあとは覚えていない。そのまま店を後にして朝陽さんのマンションへ向かう。 朝陽さんの部屋は…電気がついていない…もう眠ってる?恋人のところに行っているのだろうか… 何かやだ…でももう遅いし一旦帰宅して目が覚めもう一度向かった でも…部屋に戻っていなさそう…数時間そこにいたけれど帰ってくる様子もなかった 空を仰ぎ帰宅した。俺は明日も休みだ…明日の入り時間に合わせてもう一度来てみよう

ともだちにシェアしよう!