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あなたに会えたから 13

莉音side その後は友人として接して欲しいと願うなずな様の言う通りにした 始めは複雑で溜め息なんてついてしまってそれを桂さんに気付かれてしまう 「莉音。何かあった?」 「なずなさまのが俺の初恋の人…今でも忘れられてなかったからまさかあの旦那様が…ね…だから…」 「そうですか…お話ならいつでも聞けますので頼って下さいね」 「ありがとう。桂さん。今日はなずなさまと旦那様がご一緒に出掛けているから俺は散歩でもしてくるね」 「はい。いってらっしゃいませ」 多少落ち込んではいたが外の空気を吸えば気が晴れる気がした 特に行く宛もなく散歩をしていたらどこからか綺麗な歌声が聞こえてきた 側に行くとまだ小学生かと思われる子が歌っていた。 彼の澄んだ歌声に誘われるようにして側に行き声を掛けた 「歌すごくうまいね」 そう言うと照れ臭そうにはにかみながら 「ありがとう」 そう言った彼…?彼女?…髪の毛のせいでどちらかわからない 「歌手とかなんないの?いいと思うけどな…」 むしろなって欲しい…今がこの歌声ならきっと…どうか…俺の代わりに…

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