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あなたに会えたから 17
莉音side
母は桔梗の歌を聞くととても幸せそうに笑った。
母もその歌声にプロを目指したらどうかと言う感じの言葉を桔梗に伝えた。
それで桔梗も決意したようだった
その後も何度か歌を歌いに来てくれた
母が亡くなったまさにその瞬間も…
桔梗の歌声を聞きながら柔らかく微笑みを浮かべたまま母は逝った…
最後は幸せな気持ちで旅立っていったのならば良かった…
あなたは最期まで気丈な人でした…ずっと自慢の母でした…これからも…ずっと…
それからすぐ俺は邸へ戻った。
理由は旦那様が現在ご不在でそんな時になずなさまと連絡が取れなくなりとても心配だった。
何があったのだろうか…
邸に戻るとなずな様の姿はなく訳がわからず兄へ連絡をするとありえない答が返ってくる
裏切られた?そんなこと絶対にありえない。
誰に聞いてもわからないので調べあげたら理由もわかったし苛立ちも覚えた
ちょうど向こうでの仕事が落着き帰国した旦那様をなずなさまのマンションへ向かわせた。
その翌日とても窶れ泣きはらしたなずなさまと旦那様が戻ってきた。
詳細はわからないが旦那様がここを出ることになりこの邸の主人が俺になった。
仕事がよりいっそう増えるのでもう桔梗に会いに行く暇はない。
桔梗に最後に会いに行き別れを告げた
いつかまたどこかで再会できることを願いながら…
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