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あなたに会えたから 20

「えぇ!?初耳」 「言ってませんから」 「誰?誰?僕も知ってる人?」 「ご存知かと思います」 「誰だろ?」 「母が亡くなる前後支えてくれた人です」 「今度紹介してね」 「会えたら…ですね…」 「霞 桔梗くん…かな?」 「流石…兄さん。その通りです」 「母さんが言っていたから。桔梗くんの歌で莉音と自分は支えられてるって」 「霞 桔梗くんってあの?」 「そうです。母が入院していた病院の直ぐ側の川原でその当時まだ小学生だった彼が歌っていてその時に歌手になったら?って話してたら本当になっちゃって…多分俺の勘違いでなければデビュー曲は母と俺に作った歌だと思う…だからお礼が言いたくて。でもなかなか機会なんてないでしょ」 「なぁ莉音。俺が行けるかわからない新年会があるんだ。お前の予定確認したらその日空いてるみたいだから代理で行って欲しいんだが…」 「え?」 「その日は別のパーティーがあってそっちが先に始まるから抜けられたら顔出したいんだけど…なかなか融通の聞かない取引先でね。かなりお世話になっているから途中で抜けるのも気が引けるし…かといってそっちを欠席しても不義理になるから悩んでいたんだ。それが…霞くんの事務所の主催する新年会だから…社長…凛と朝陽くんに挨拶するくらいでいいんだが…お願いしてもいいか?」 「わかりました」 「霞くんが参加出来るのかは正直わからない…でももしかすると…」 「ありがとう。行かせていただきます」

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