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あなたに会えたから 24
「また来ような」
「うん」
「今日はゆっくり時間あるんだっけ?」
「莉音は?俺はあるけど」
「んじゃあデートしよ。デート」
「え?」
「乗って」
次に行ったのは水族館。ここも莉音と来たことがある。
出会ってすぐのことだった
その時クラゲに見いってたら莉音に笑われたっけ…クラゲのぬいぐるみくれて…それも今でも飾ってある。
「ほらほら。お前の好きな奴。何か種類増えてるね」
「本当に…癒されるなぁ…クラゲの飼おうかな…」
「ははっ。飼ったら会いに行こうかな」
「飼ってなくても会いに来てよ」
莉音が目を見開く。あ…ダメだったかな…わがまま過ぎた…
でも莉音はふわりと笑って
「いいよ。会いに行く。お前が会いたい時は会いに行くから俺が会いたい時にも付き合ってよ」
「うん」
胸がドキドキ煩くなっていた。莉音は弟みたいな感じで思っているだけ…それで満足しなくちゃ。
忙しそうな莉音にわがままなんて言わない。
それからゆっくり回って昼過ぎ
「お腹空いた?」
「うん。ちょっと」
「んなら休憩しよっか」
水族館の中の1番大きな水槽の横のカフェに入った。
キラキラ光って見える魚たちを見ながら食事を採った
本当に楽しくて、莉音と一緒に過ごせることが嬉しくてはしゃぎ過ぎて危うく見つかるところだった
それに二人で笑いながら家路につく
まだまだ話し足りない…でも…別れの時間はもうすぐそこまで来ていた。
「桔梗。連絡しろよ」
「うん。莉音もしてよね」
「おぅ。んじゃまたな」
「またね」
「桔梗…」
「ん?」
「いや…風邪引くなよ」
「ありがと」
莉音の車が見えなくなるまで見送った
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