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あなたに会えたから 25
莉音side
桔梗との時間が楽しくて本当はまだ一緒にいたかった
でも忙しい桔梗の時間を俺のわがままで潰すわけにはいかない
桔梗は可愛い弟みたいな奴。これからも仲良くしていきたい
だから年上の俺がわがままを言うわけにはいかない
「はぁ…楽しかったなぁ…あいつあのクラゲまだ持ってたりするのかな…んなわけないかぁ…」
あの頃クラゲの水槽にへばりついて飽きもせず目をキラキラ輝かせている桔梗の姿は初めて見た子供らしい姿だった
「あの時可愛かったなぁ」
自宅へ戻ると兄が来ていた
「来てたんだ。どうしたの?」
「昨日のお礼をと思って。ありがとう。助かった」
「いいよ。俺も桔梗に会えたし。さっきまで一緒にいたよ。ちゃんと話せた」
「よかったな」
「やっぱり俺たちのために書いてくれた曲だった。すごく嬉しい。母さんも喜んでるはずだよ」
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