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あなたに会えたから 32
莉音side
夕燈さんは高校の先輩で朝陽の兄で…とても綺麗な人でとても明るくて一緒にいて楽しい…きっと好きになれる…でも…
「何を迷うの?」
「俺は…そんなの…」
「やだ?ただのわがままじゃん。桔梗くんの気持ちに答えられないのなら夕燈さん以上の人いない」
「あんたたちにわかるわけないよね。好きで一緒になったんだから…俺のことなんて他人事だから…だから」
「そうだよ。他人事。僕は僕が幸せならいい。夕燈さんだって今まで言い寄ってきた他の人なんかよりずっとずっといい。幸せにしてくれるから」
「何で…桔梗から離したいんだよ…」
「桔梗くんを見ていられない…桔梗くんはあの頃の僕に良く似ているから。それだけ…あんなに純粋な子これ以上傷付けないでよ」
「ここで話していても仕方がない。これから夕燈くんに会うんだろ?」
「仕事でね」
「待たせてはいけない。行きなさい」
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