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あなたに会えたから 35

数分後二人が現れる 状況が全く掴めない 「桔梗くん…困惑してるじゃん。莉音はほんとに酷い男だねぇ」 「俺の気持ち…俺の言葉だけじゃ信じて貰えないから…」 「はぁ…で俺たちを利用する気?」 「そうだよ」 「本当に…性格悪いな…」 「今に始まったことじゃないでしょ」 「ほらほらみんな座って」 夕燈さんに促されみんな腰を下ろした 「先ずは…夕燈さん」 「はい」 「今回の話しなかったことにしてください」 「それは桔梗くん次第。莉音の独り善がりなら条件に値しないから」 「…?この人が婚約者?」 「そうだよ」 「俺は莉音が好きだけど莉音はそうじゃないです。だから気にしないでください」 「ふふっ…面白い…」 「だからお前が好きだって…」 「莉音は結婚から逃げたいだけでしょ?俺利用されたくない」 「信用ないねぇ…莉音…」 「莉音は桔梗くんのどこが好き?」 「真っ直ぐで優しくてしっかりしてて…俺の支えなんです」 「ふーん…だって。桔梗くん」 すごく複雑な気持ちで聞いていた…きっと結婚の条件というものがなければ素直に嬉しかったけど… 「それは恋愛のそれじゃないから。俺と同じ気持ちじゃないから。すいません。みんな集まってもらったのに…俺帰りますね」 「桔梗待って」 「だから、利用されたくない」 「そうだよ。莉音。この間言ってたじゃん。それ以上とは思えないって」 「あのときは気付いて無くて…あの日夕燈さんと話をして…その後も何度も会って…」 会ってるんだ…ならもういいんじゃないかな…?俺をわざわざ利用なんてしなくても。お似合いだし。でも莉音が離してくれないから立ち去れなかった

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