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大切な人 4
医師免許と弁護士免許を取得しいざ社会に出るとき…
義父は医師だったので一緒に働きたいといっていたけれど私は初めての反抗をした。
「お父様。私は医師にはなりません」
「何を…」
「この家を出て美容関係の仕事がしたいの」
「許さない…」
烈火の如く怒った義父は私に薬を盛り意識を失わせた後自宅の地下室に閉じ込めた
そこはベッドが1つだけ置いてあるだだっ広い空間で義母が眠ったあとに義父が私を抱くためだけに作られた場所。
義母はこの部屋の鍵は持っていないためここに入れるのは義父だけだった
鍵を開けることは造作もないのだけれど
拘束された状態ではどうすることもできない。
和海が気づいてくれるといいけれど…
そうして数日義父がやって来たタイミングで和海が現れた
ちゃんと見つけてくれたんだ…そう思い意識を手放して次に目を覚ましたときは体は綺麗にされていて着替えもさせられていた。
「起きた?彩」
「和海…ありがとう…」
「まさか本当に閉じ込められてるなんて思わなかったけどな」
「良かったわ。和海に伝えておいて。義父はどうなったの?」
「お前の義母さんに相当罵られ参っていたよ。まさかあんな大人しい人にそんなに言われるなんて思わなかったのかもね。警察につき出されてた」
「そうなの」
「お前の義母さん心配してたから連絡してやれ」
「わかった…」
嬉しかった…義母がそんなに私を思ってくれていたなんて…
連絡すると全く知らなかった自分を恥じていて泣きながら謝っていた
その後しばらく、私は和海の家にお世話になりアシスタントの仕事を始めた
義母は初めて私が意志を示したことを喜んでいた。人形みたいだった私を義母なりに心配していたけれど厳格な義父には逆らえなかったようだった
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