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初恋 5

そんな関係は急激に変わっていく 本当に突然のことで戸惑った 「蘇芳さん…あの…」 「どうした?」 「あの…神楽高校ですよね?」 「そうだけど。そんな話ししたっけ?」 「いえ…あの俺…実は高校時代から蘇芳さんのこと知ってて…」 「は?なんで?」 「生徒会だったでしょ?」 「そうだけど…」 「…俺…あなたの後輩です」 「え?それだけの容姿もってるなら…知らないはずないんだけど…」 「俺…高校時代は地味でしたから」 「え?それで?」 「俺この容姿だから小さい頃結構いじめられること多くて…高校時代は黒髪のウィッグつけて前髪長くしてたんです」 「星夜みたいだな」 「相馬くん?」 「そうそう。あいつもかなり地味に生活してる。ウィッグつけて黒縁メガネ。あの格好で来られたら本人だなんてわからない」 「そうなんですね…あの…それで…俺…あなたのことずっと好きで…仕事で会えた時驚きすぎて失礼な態度とっちゃったんじゃないかって…俺がこの業界に入ったのはカメラマンのあなたに会いたかったから…ちょっと入り口間違えちゃったけど…それでもこの仕事のみ続ける理由はちょっと他と違うからいつか見つけてくれるんじゃないかって思って…使ってくれた社長への恩もあったし…」 「ちょっと待って…今さらっと好きって…」 「あ…あの…あ…すいません」 「それって…本当に…」 「はい…気持ち悪いですよね…追いかけて来ちゃって…すいません…忘れてください…じゃ…」 「ちょっと待ってちょっと待って…頭整理するから…」 思わず腕を掴み引き寄せた。天音は大人しく腕の中に収まった 「…あの…」 長いこと言葉を発しない俺を不思議に思い上目遣いで見つめてきた…その顔が可愛すぎて危うく返事をしないままに押し倒してしまうところだった。それを理性でどうにか乗り切り 「俺も…お前のことが好きだ。現場で初めてあった時から…綺麗なのに謙虚で仕事には真面目で…意外に抜けてて…放って置けなくて…俺の初恋なんだ…だから…気持ち悪いどころか今叫び出したいほどに嬉しくて…」 「え…?それじゃあ…あの…俺と付き合ってください!!」 「いいよ。喜んで…あぁ…でも予想外…」 「え?」 「いや…俺さ…土門くんに一目惚れで…まさかその土門くんに告白されるなんて…」 「え?!それ…嬉しい…嬉しいです…宜しくお願いします」 こうして俺たちの交際が始まった

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