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灯火

「十夜。久しぶり」 「久しぶり。朝陽。元気にしてたか?」 「うん」 「星夜は?」 「もう来るよ」 「久しぶりにその2ショットみた。二人とも元気そうで何よりだ」 「兄さん。元気出た?」 「何が?莉音の事?それならもう大丈夫」 「兄さんずっと先輩の事好きだったよね?」 「あーちゃんにバレてるのに本人は全く気付いてなかったけどな」 「あの人はそんな人だもんねぇ…」 朝陽の兄夕燈さんは先日婚約破棄された。相手のことを高校時代から好きで、でも素直になりきれないまま今に至る 相手の人は俺もよく知っている人だった。 その相手に選ばれたのは朝陽に一時期好意を持っていて襲おうとした奴だった。 先輩と朝陽はどことなく似ていたからきっと重ね合わせていたのだろう。 「十夜は?誰か見付かった?」 「なかなか朝陽以上の人なんて見付からないですよ…って朝陽…そんな顔すんなって」 「だって…」 「言っただろ?お前は今も大切な人って言うことには変わりないがそれは恋愛感情ではないって」 「あーちゃん。心配し過ぎ。十夜のこと大好きだもんな」 「すいません。遅くなって」 「お疲れ様。せいくん」 「お疲れ様です」 「デザインあがった?」 「はい。もうすぐ形に出来ます。霞くんの新曲のPV撮影開始には間に合いそうです」 「そっか」 朝陽のだらしない顔を見ながら苦笑する。 以前よりずっと星夜にベタぼれだ。 星夜もまた然りだが… 二人が復縁して早3ヶ月。 季節は変わりやがて春を迎える。

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