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灯火 2

今日も代わり映えのしない朝を迎えいつものように病院へ向かう いつものように診療していつものように帰宅。 特にやりたいこともないので最近では専ら自宅でゆっくり過ごしていた 買いだめていた食材も酒も無くなったので買い物にでも行こうと重い腰をあげる いつもの店はもう閉まっていて面倒だが車で隣町まで行った 「あ!!十夜せんせ!」 「如月さん?お久しぶりです」 「お久しぶりです」 如月さんの隣には以前星夜と交際していた雪代さんもいた。 「十夜。相変わらず美人だね」 「いやいや…カイさんには負けますけど」 「いやいや…俺からしたら二人とも十分美人です。ちょっと向こうのコーナー行ってきますね」 二人の仲は良好なようでホッとする。一時期はとても心配したけどもう大丈夫だろう。 「星夜と最近会った?」 「あぁ。先日会いましたよ」 「元気だった?」 まだ星夜のこと? 「元気でしたよ」 「良かった。俺かなり酷いことした気がして心配してたから」 「如月さんのことは…?」 「うん。大好き。今蓮華いなくなっちゃったら俺死んじゃうんじゃないかってくらい好き…だからそんなに心配そうな顔しないで?俺の中で星夜はいい思い出だし大切な友人だよ」 「そうですか」 「十夜は朝陽くんのことは?」 「カイさんと同じです。大切な人だし今でも大好きだけどそれは恋愛とかじゃないです」 「そう。ねぇ十夜」 「はい」 「…何でもない」 「カイさん。ありましたよ!」 「じゃあまたね」 立ち去る二人はとてもお似合いだと思った。 みんなそれぞれ新しい道を進んでいるのに取り残された気分だ

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