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灯火 4

仕事を終え夕燈さんの家へ向かう。 沢山の店舗を統括してるわりには簡素な作りのアパートに暮らしている。 高級なものにこれまで囲まれ続けてきたからか庶民的なものを好む。 料理は本業にもかかわらずほとんど自炊はしないと言うのだから栄養も片寄りそうなものなのに肌もきれいだし体つきも綺麗だとは思う 預かった合鍵で鍵を開け中に入るとベッドに横たわる夕燈さんの姿が見える。 この家にはあまり物がない。 生活に必要な最低限の物しかない。 近くによると綺麗な顔で寝息をたてている。額に手を当てると熱はもう引いているようだった その時急にベッドに引きずり込まれる 「…」 知らないやつの名前を呼び俺の胸に顔を埋めた 「ちょっと。夕燈さん!俺です。十夜です」 「十夜…ごめん…寝惚けてた」 「離してください」 「やだ」 「は?ちょっと…夕燈さん」 夕燈さんはするりと服の中に手を入れ肌を撫でた 「やめて下さい」 「いいじゃん。十夜も溜まってるでしょ?」 「あんた病人でしょ。おとなしく寝てください。俺誰かの変わりなんて嫌です」 「え?」 「さっき寝言で知らない人の名前呼んでましたよ。寂しいからって誰にでもそんなことしちゃダメです」 「もう…十夜堅いな…」 「そんなことやってると面倒事おきますよ」 「だって…寂しいのはいやだ…」 子供みたいに俯いた夕燈さんの頭を撫でベッドからおりた 「夕燈さん…ずっとこんなことしているんですか?不特定の人と」 「ん~そうだね…本当に好きだったのは莉音だけだったし」 「何やってるんですか…体だけじゃなく精神的にも参っちゃいますよ」 「じゃあ…十夜が側にいてよ」 「…またあなたは…冗談はやめて下さい。求めていないくせに」 「えぇ?酷い…その言い方」 「ご飯食べられます?作ってきますね」 「…」 「ちょっと…手を離してください…」 「十夜…」 「はい?」 「俺じゃあーちゃんの変わりにならない?」 「何言ってるんですか?」 「俺にしなよ」 「だから他の誰かと一緒にしないで下さいって」 手を振り解きキッチンへ向かう。ただの風邪なのにあんなに弱って…何があったんだろ…

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