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灯火 14
夕燈side
事が終わると十夜が苦しそうに俯いた…現実に戻されて自分の行為を後悔したのだろう…
朝陽じゃない俺を朝陽と呼んで朝陽を抱いていたことを
「夕燈さん…すいません…俺…」
「大丈夫だよ。ありがとう。十夜。ねぇ十夜…」
大丈夫だよ。そんな顔しないで…俺は十夜に抱かれるときは朝陽でいるから…
「はい…」
「またおいで。朝陽が欲しくなったらいつでも。俺はいつでもお前の元へ行くから」
誰よりも十夜を一番に思うから…
もっと十夜に触れたい…
十夜の綺麗な髪を鋤き耳朶を掠め頬をたどりそっと唇へ触れる…
足りない…足りない…もっと触りたい
十夜の口内へ指を差し入れ掻き回す。
温かい十夜の唾液が絡み付く…十夜の表情が堪らない…
口内から外へ出した俺の指先には十夜のものが糸を引く
勿体なくてそれを舌で絡めとる…温かい…甘い…十夜の味…
「十夜…朝陽を好きでいいんだよ。朝陽を忘れないでいいんだよ。だから俺を利用して?それによって俺も癒されるから…ねっ。お互い様だよ」
十夜が朝陽を求めるならば俺はいつでも朝陽になる…どんなかたちでもいい。十夜が欲しい
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