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灯火 15

夕燈side 「十夜!そんな顔しないの。大丈夫だよ。お前は何も悪くない」 「…」 「俺はお前に抱かれたことで傷が少し癒えた…でもね…ごめん…まだ…恐怖が大きい…十夜なら怖くない…だから…朝陽を癒すために抱いてよ…」 「朝陽…」 「そう…ベッドの中では僕だから…」 「っ…」 苦しそうな十夜…ごめんね…ずるい奴で…でも…お前を離してやれない… 「僕は…十夜が大好きだよ…だから…笑って?」 耳元で囁きながら十夜を抱きしめると少し戸惑いがちに抱きしめ返してくれた… 「十夜…ありがとう…」 「朝陽…」 十夜の目には俺は映らない…わかってる…でもこの声と顔で良かった… 俺だったら朝陽になれる…十夜を支えられる… どのくらいそうしていただろう… フッと我に返った十夜 「夕燈さん!仕事は?」 「あぁ…そろそろ行かないとまずいね…」 「何ゆっくりしちゃってるんですか。ほら準備しないと」 「そんな急がなくても平気。今日は午後から莉音との打ち合わせだから」 「立野先輩と?」 「そうだよ」 「…」 「またぁ…そんな顔しないの。何でお前が苦しそうなの。莉音のことはもう平気だって」 「でも…」 「…じゃあさ…今日十夜の家に行ってもいい?…癒して…」 断られると思った…でも十夜に会いたい…ただその一心だった…十夜は複雑そうな顔をしながら少し悩み… 「わかりました。家わかります?なんなら迎えに行きますよ」 「え?いいの?じゃあお願い」 「終わったら連絡ください」 「わかった」 「ほら。着替えて。その間に朝食用意しますから」 「はぁい」 十夜の手際の良さを横目に着替える。十夜は昔からなんでもできた。 料理なんて造作もないし片付けとかは好きだし面倒見も良かった それに付け加え顔も良いし優しくて頭も良いしスポーツだって得意だった

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