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灯火 24
夕燈さんに朝陽の言葉を使われたら操られたようにそれに従ってしまう。
まだベッドの上でもないのだから夕燈さんとわかっているのに
夕燈さんの手首には痣が残っていた。
腕を強く押さえつけられたのだろう。
そこ以外は大きな傷があるわけではないけれど手の形がまだくっきり残っているってことは相当の力がかかっていたのだろう
首元には微かだが引っかき傷のような…もしかするとナイフでも押し当てられていたのだろうか…
抵抗なんてできるわけがなかったんだ
朝抱いた時も後ろにはすんなり入ったので相当広げられたのだろう
それでも笑って仕事をしている姿を考えると胸が痛かった
「十夜」
「はい」
「…僕を抱いて…」
甘い甘い声…朝陽が懇願するときの声と良く似ていた。これが合図となり結局長い時間何度も抱いてしまう。
明日は仕事だというのに…意識を手放した夕燈さんの姿に我に帰る
髪を撫でながらまたも罪悪感にかられていた
ごめんなさい…夕燈さん…
夕燈さんを清め同じベッドへ潜り込む。
人肌が欲しかった…睡魔はすぐに訪れ夕燈さんの匂いを胸いっぱい吸い込んで目を閉じた…夕燈さんを抱き締めながら…
朝は俺よりも早く起きた夕燈さんが朝食を用意してくれていた。
夕燈さんは今日も朝はゆっくりの出勤らしいので先に出た
出るときに夕燈さんから挨拶がわりの啄ばむようなキスをもらって…
今日もよく眠れていた…夕燈さんを抱きしめていたからだろうか?それとも…
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