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灯火 25
それから…
一度口にしてしまえばやめられない薬のように互いを求めあった…
誘うのは俺の時もあったし夕燈さんの時もあった
何かを求めあい傷つけあってそれでも離れられなくなってくる…友情とも愛情とも違う何かに支配されていった…
「夕燈さん。今日は家に来ませんか?」
「うん。仕事終わったら行くね」
「はい」
歪んでしまった感情はもう誰も止められない
「十夜。もう一緒に住んじゃう?部屋たくさんあるでしょ?十夜の家」
「そうですね。それもいいかもしれません」
今日も肌をあわせながらベッドで重なったまま話をした
もう一時でも離れたくない…ずっと籠っていたい…
「十夜?どうした?」
「何でもないです」
「やってるときは可愛いのにねぇ」
「夕燈さんもでしょ?」
「お前が抱いてるのは朝陽でしょ」
「あぁ…そっか。夕燈さんが可愛いわけないですね」
「だろ?」
「いつからここに住んでくれますか?」
「今からでもいいよ。少しずつ向こうは片せばいいし」
「じゃあ手伝いますね」
「うん。ありがと…十夜…」
「はい」
「…僕を…抱いて?」
「朝陽…」
「十夜…大好き…」
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