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そんな僕の事情
せいくんとよりを戻してから数か月。
今日は初めての旅行に来ている
老舗の旅館は風情があって心地良い
荷物を置き浴衣に着替えて湯巡りをすることにした。ここは有名な温泉街。湯巡りなんてしたことなくてワクワクしていた
「ずっとしてみたかったんだよね。湯巡り」
「俺もです」
様々な温泉がある。珍しい造りの温泉やこの旅館街でも最も古いところ。それぞれ個性がありどこにいっても新鮮で楽しかった
「はぁ~。今のところも気持ちよかったですね」
せいくんの顔がほんのり朱に染まり可愛らしい
「食べ歩きとかは?したことあります?」
「ドラマ撮影ではあるけど個人的にはないなぁ」
「ここっていろんな店あるからやりましょうか」
「うん!!」
「っ…可愛い…子供みたいです。目がキラキラしてますよ」
「え?…」
自分でも子供みたいにはしゃいでいるのに気付きうつむいた
「チュッ」
「ちょっと…せいくん…こんなとこで…」
「大丈夫ですよ。周りも自分達しか見えてませんから」
言われてみるとカップルや家族連れが多く皆周りなんてきにしてないようだった
「ね?だから…」
「手…」
「繋いで歩きたいです」
そんな綺麗な顔で首をかしげる姿に断るわけもなく二人で手を繋ぎながら歩く
沢山の美味しいものを食べて旅館へ戻った
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