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僕らの間 11

それから時は過ぎ先輩が卒業し俺たちは2年になった クラスはまた同じで違うのは愛斗と共に生徒会に入ったことくらい。 とはいえ特別に何かが変わるということでもなく何となく日常は過ぎていった。 そんなある日のこと思わぬ人から連絡が来た。 「望月。急にごめんな」 「どうしました?片桐先輩」 「カイ知ってる?」 「はい。相馬さんのブランドモデルですよね?」 「そう。今日新作の撮影だったんだけどカイが来れなくなったからお前に頼みたい」 「は?いやいや。意味わかりませんけど」 「お前なら勤まると思う」 「俺素人ですけど」 「お前しか頼める奴がいない」 「嶺。やってあげたら?」 横で聞いていた愛斗がそっと耳打ちする 「わかりました…どこに向かえば良いですか?」 先輩から詳細が来て愛斗と共に向かう 愛斗も一緒と希望されたからだ 現場につくと思ったより柔らかい雰囲気でみんな笑っていた 俺たちより若い人もいれば同世代もいる。大人な人もいる。 年齢問わず愛されるこのブランドが俺も前から好きだった まさかその専属である一番人気のカイさんの代わりでここへ来るなんて夢にも思わなかった… 本当に俺でいいのだろうか…

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