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僕らの間 12
戸惑っていたら先輩が側に来ていて話しかけてくれた
「悪いな。望月。急に無理言って」
「あ…いえ…でも俺にカイさんの代役勤まりますかね?」
うわぁ…やっぱかっこいいな…この人。そんなことを思いながら会話をする
「大丈夫。お前。カイの出てる雑誌よく参考にしてただろ?」
「見てるのとやるのじゃ違うんじゃ…」
何て無茶なこという人なんだろう…違うに決まってるのに…プロと素人じゃ…
「宮部そこで見てるんだからいつもと違う自分で意識させたら?」
それは反則…愛斗を出されると俺は弱いんだから…
愛斗を見ると顔が熱を持つ…愛斗に誉められたいな…
きっと俺は今顔が真っ赤だろう。そんな俺を見て今度は愛斗に薄く笑うと愛斗に目を向ける
「宮部もこっち来て」
「はい」
「宮部にも撮影入ってほしいんだけど」
「えぇぇぇぇぇ!!俺チビだから先輩のブランドなんて着こなせませんよ」
愛斗が驚くのも無理はない。ここにいるモデルたちは女性も含め子供以外は愛斗より背が高いのだから
「どうしてもモデルに着せたかったけど出来なかった分があるんだ…」
必殺の甘い笑顔で言われると愛斗でさえ断れない。
二人揃ってフィッティングルームへ向かった。部屋は別々でそれぞれにメイクが施される。
出て最初に見たのは愛斗。かなり似合ってる。愛斗は背が低く華奢だがそれを感じさせないほどすらりと見えた。
愛斗くらいの体型になると似合う服を見つけるのはとても大変だ。それがとても似合うのだからこれはもう相馬さんのセンスのよさだと思う
「やっぱ正解。お前らなら大丈夫」
二人を見比べ満足そうにそう言った先輩は既に衣装に着替えていた。
「先輩…嶺はいいけど俺のこれって…」
愛斗が不安そうに先輩に話しかける
「あぁ。子供服だ」
子供服だったんだ…そうは見えない。
「ですよね?」
不服そうな宮部に先輩が向き直る
「お前の華奢さと身長の大人の人って沢山いるんだけどサイズ見つけるの大変だろ?人にはよるけど子供服を来た方がよく見える場合も多くあるんだ。だから子供服なんてって思っている人にも良く見えたらもっと着たいものの幅が広がるかなって。今や子供服も大人っぽいのが多いから気軽に流行りのお洒落も楽しんで欲しいからお前が着ることで抵抗がなくなれば良いなって思ったんだけど…」
そんなこと言われれば納得するしかないのか今度は笑顔で頷いていた
「わかりました…」
「ありがとう」
最強の相馬スマイルを向けられ二人して腰が砕けそうになった
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