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僕らの間 16

「どうしたの?嶺くん。そんな難しい顔して」 「カイさん。何かすいません」 「まだ気にしてるの?星夜が選んだなら間違いないよ。だからそんな顔しないで。ね?綺麗な顔が台無し」 カイさんが俺の頬を包み込み微笑んでくれる。 「カイさん!近いです!嶺はダメですって」 「えぇ、独り占めはずるいよ。俺も仲間にいれてよ」 「ダメです!!嶺は俺のです」 そんな二人のやり取りに先輩がため息をつく 「カイ…いい加減にしろ。嶺から離れて。」 「もう!相馬さんもしれっと名前で呼ばないでよ」 「だって望月って言いにくいじゃん」 「ねぇ…僕のこと忘れてない?」 今まで何も発してなかった朝陽さんが先輩をつついた 「忘れてないですよ」 先輩が朝陽さんを抱き締めた。その姿に周りから歓喜の声が上がる 「ちょっと…せいくん。みんな見てる…」 「今更でしょ」 「もう…」 「こら!いちゃつかないで」 「はいはい」 慌ただしく時は過ぎ人だかりを掻き分けながら小松がやって来た 「何事?」 「小松。回り見て」 「うわっ!!そそそそそ…せや!!」 「言えてないよ。小松くん。」 「えっえっ!何でこんなとこに…あぁぁぁ…あなたが大好きです」 「ちょっと。落ち着いて…小松くん」 「あゎゎわゎわぁ…」 完全にパニックになっている小松を横目に愛斗が言葉を紡ぐ 「相馬さん。小松くんはあなたを尊敬してるんですって。自分で服も作ったりしてるんですよこの子。今日の衣装もみんな彼が作りました」 「そうなんだ。宮部ちょっと見せて」 先輩はいつもの俳優でもモデルでもない鋭い目付きで衣装をくまなく見る 「…」 「あ…あの…えっと…」 「すごいね。一人でこれだけの仕上がりにできるなんて。すごい」 「えっ!あっ…ありがとう…ござ…ま…す」 「小松くん。今度オフィスにこない?今人手が足りなくてすぐにできる人探してたんだ。君が良ければだけど…」 「えぇぇぇえぇ!!俺で…俺なんかでいいんですか?」 「これだけ腕があってセンスがある即戦力になりそうな人なかなかいない。だからお願いしたい」 先輩が深々と頭を下げた 「うわぁぁぁ…そんな…頭を上げてくださいぃぃぃ!あのっ…あのっ…俺で…良ければ…」 「ありがとう」

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