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揺れる 4

ゆらゆら揺れる体… 小さな小さな影… 伸ばされた小さな手… ふんわり笑ったような表情… 僕たちの元へ来てくれた子かな?… 早く会いたいな… スーッと目の前が明るくなる… そっと頬に触れると涙が溢れていた ゆっくり起き上がると体調は随分良くなったので自宅へ戻ることにした 今日はせいくんは遅くなるといっていたから… 家のことを休み休みこなしながらせいくんの帰宅を待った 「ただいまぁ」 「おかえり」 「朝陽さん…可愛い…」 「え?何が?」 「トタトタこっちに来た姿が可愛かった…」 そういうとせいくんからキスの雨が降る。 気持ちいい… 「はぁ…元気もらった」 「ふふっ…」 「明日楽しみ…」 「…わくわくしてる?」 「はい!」 ニコニコしながら僕を抱き締めるせいくんの柔らかい髪を鋤く… 明日も…この顔で笑ってくれるかな…喜んでくれるかな… 気付けば翌朝になっていてせいくんの用意してくれたご飯を食べ家を出る 「ねぇ。朝陽さん。なんか顔色悪いよ?大丈夫?」 「大丈夫だよ」 特に体調は悪くなかったけれど緊張が顔に出ていたのかもしれない 観光してもあまり情報が入ってこないくらい緊張していて具合が悪いと思ったのかせいくんは早めに帰ろうと言ってきてくれた

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