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揺れる 7

せいくんの家はいつも暖かい。 せいくんが優しいのはきっとこの環境のお陰なんだろう とても居心地が良くてついつい長居してしまう 「今日は泊まっていって、体冷やすといけないし。今日は特に寒いから」 「朝陽さん、そうしましょ?もう遅いし」 「じゃあ…お言葉に甘えて…」 せいくんの使っていた部屋のベッドは1人で寝るのには広いダブルベッドだった。 「ダブルベッド?」 「そうですよ。俺広いところで寝るのが好きだから昔からこれです。」 「じゃあ僕は違う部屋に」 「なぁに言ってるんですか?今は朝陽さんと一緒じゃないと眠れませんから隣にいてください」 そういうとふわりと笑い唇を重ねた ゆっくりベッドに押し倒されてギュッと抱き締められる。 「はぁ…ここに俺たちの子が…」 お腹の辺りに耳を当てて幸せそうに目を閉じるせいくんの髪を鋤く 「なんか…すごいなぁ…朝陽さん…俺…ちゃんと血の繋がった人っていなかったから…両親には感謝しているし不満なんて全くないけど…でも…それでも…やっぱり…嬉しい…」 「うん…」 「ねぇ…朝陽さん」 「なぁに?」 「俺…朝陽さんに…出会えて…よかっ…た…」 笑顔を浮かべたまま眠りについたせいくんの顔を見つめながら幸せを噛み締めていた

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