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揺れる 17

やってくると思っていた衝撃が来ない…ゆっくりと目を開けると彼を止めている人がいた。 「嘉納…さん…」 「華陵院さん!」 「何で…」 「連れていかれる華陵院さん見掛けたから追いかけてきました。途中遥さんに連絡したので相馬さんにも連絡がいっていると思います」 「…ありがとうございます…」 嘉納さんは僕を抱えると屋敷を後にした。 後ろで叫んでいる彼を一瞥して 嘉納さんの車で縄を解いてもらった。 手と足にはアザが残っていた ガタガタと震える体を抱き締める…怖かった…自分が何かされるよりずっと怖かった 数分後せいくんがきてくれた 今日は仕事が忙しいはずなのに 「ごめん…せいくん…仕事…」 「何言ってるんですか!!仕事より自分の心配してください!!嘉納さん。ありがとうございました」 「いえ」 嘉納さんにお礼を言ってせいくんと帰宅した せいくんは僕をずっと抱き締めてくれた… あの人…また来たらどうしよう…怖い…怖いよ… 「朝陽さん。相手のことは何とかしますから心配しないで?」 「…うん…」 そして翌日… 「せいくん…どうしよう…どうしよう…」 「どうしたんですか…」 「血が…血が出てきた…どうしよう…」 「病院いきましょう」

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