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第15話

「いいに決まってるだろ!オレはルードに居てほしいんだから、お前、料理もうまいしな!」 本当の気持ちを力強くルードに言い聞かすアキラ。 「でも、おれアキラのジャマになってない?」 「なってない!」 なおも難色を見せるルード。 「ここに居て家から逃げてて…、いいのかな…甘えてるよなおれ」 ルードの顔が曇る。 アキラは、溜息をついて首を横に振ってルードの前髪へ触れる。 「そんな事ないって、それに甘えられる時は甘えとけばいいんだよ、じゃないと甘え方が解んなくなるぞ」 オレみたいにな。 優しく笑って頭を撫でる。 「……アキラ」 その言葉を聞いてルードは少しだけ嬉しそうな顔をしてアキラと瞳をあわせる。 「……」 数秒の空白。 アキラは、その雰囲気から…ルードをひき寄せ唇にかすめるようなキスをしてしまう。 「……」 一瞬その場で固まる。 アキラは離れながらルードを見る。 「……」 (あれ?反応なし?) 記念すべきルードとの初キスなのに…… 別の意味で不安がよぎるアキラだったが。 次の瞬間――。 「っっ!ア、アキラっ!!いっ今、何してんだっ!」 ルードあわてて後ずさりアキラを指差して驚く。 予想通りの反応に思わず笑ってしまう。 「ふっ何ってキスだよ。知らない?」 そしらぬ顔で答える。 「そんな事聞いてんじゃないって!なんで」 「ルードがかわいい顔してたから、ついな!」 「ついじゃなーいっ」 手をぐーにして怒っているルードをどうどう!となだめる。 「怒るな、怒るな、アメリカじゃ挨拶がわりだぞ」 普通、頬にだけど…。 「ここは日本だっつーの!!」 顔をまっ赤にして叫ぶルード。 「ふ、よかった。元気になって…」 微笑みながら、ルードの腕を持つ。 「……アキラ?」 「あんまり複雑に考えるなよルード、オレが居ていいって言うんだから信じろよ!」 自信満々に言うとへたっていたルードは立ち上がってお礼を言う。 「……ありがと」 「なにもしてないって」 礼を言いたいのはオレの方だよ。 心で思いつつアキラは言葉にする。 「ううん、本当に感謝してる!今日の晩ご飯はアキラの好きなもの作るよ!何がいい?」 嬉しそうに聞いてくる。 「いいよ、ルードの作ったものなら何でも食べるよ」 「だめだめ!何か言って」 「うーん、じゃあルード特製和風スパゲティ!」 よろしくと、アキラがリクエストすると… わかりました!と了解のポーズを決めて料理を作りに一階のキッチンへ降りていった。 その姿を見送り、机に向かう。 ルードに自分の本当の気持ちを伝えず嘘をついている事に罪悪感を感じ胸が痛む。 嘘はついていたくない、アキラの心の中で決意のようなものが芽生えるのであった。 《平穏な日々》終

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