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第17話

次の日―。 運動会当日、ルードは体育委員などやっているのでアキラたちより早く家を出ていった。 アキラとコウジは運動会が始まる前に2人でルードの通う小学校にやってくる。 「アキ兄!こっちこの席がよく見えるよ!」 「わかったって、なんか懐かしいな。オレ達が通ってた頃とあまり変わりないな小学校」 「4年前だしね。僕たちの方がいろいろ変わったよね」 感慨深く校舎を見つめコウジが頷く。 「まぁな…、場所取っとけよ、オレ、ルード探してくる」 そうコウジに言い残して校舎の方へ歩いて行く。 一方、ルードは委員の仕事に走り回っていた。 「撰都君これ入場門まで運んで」 「はーい!」 どんどん仕事こなしていく。 そして、下駄箱の前を通った時のこと。 「おい!待てよっセント!!」 急に肩をおされ三人の 6年生に囲まれる。 ルードは…またこいつらか、という感じで睨む。 「セント!練習で一位になったからって、いい気になるなよ!」 「なってない!」 はっきり答えるが、さらに詰め寄ってくる。 「だいたい何でお前っ体操服着ねーんだ!」 「一人だけ長そで着て!」 「目立ってんじゃねーっ」 たて続けに罵声をあびせてくる上級生たち。 「これは先生に許可もらってるんだよ」 絡まれて困ってしまうルード。 「先生に、ひいきされてるからってえらそうにっ」 「生意気なんだよ!」 さらに肩を押して逃がさないようにする三人。 ……そこへ、丁度ルードを探しに来たアキラの姿が見えたルード。 アキラと目があった瞬間。 「アキラ!こっちっ!」 大声で呼ぶ。 そして6年の一人を馬とびして、アキラの方へ走っていく。 6年たちは… 「やべっ行くぞっ」 慌てて逃げて行く。 「アキラ!助かった!ありがと」 手を振って近づく… 「ルード、今のは…」 不振に思って聞いてみる。 「んー6年生、おれ背高いし服コレだろ、6年からはナマイキにみえるんだろーな」 「じゃ学校に言ってやめさせてもらえば?」 ルードの答えを聞いて、アキラは解決策を進めるが… 「いいんだよ、あいつらだって勉強や塾とかでストレス溜まってんだ。おれを責める事で発散してるんならいいよ」 相変わらずなルードの言い分に顔をしかめるアキラ。 「じゃお前はどーするんだよ、ストレス溜まるぞ!」 「おれは全然ヘーキだよ!あいつらの言う事も分かるしな、大丈夫だよ」 ルードは笑ってアキラの言葉を制する。 でもなぁ、とさらに難色を示すアキラに大丈夫と念を押す。 そこへ… 「ルード!誰?お友達?」 軽く声をかけてくる長黒髪で綺麗な顔立ちの女の子。 「類!うん、友達、高校生なんだぞ」 ルードは女の子に対し親しく話かけている。 「そう、すごいね。こんにちは」 類という子は、アキラへ向かって挨拶をする。 「あ、こんにちは。ルードこの子は?」 急に現れた女の子に戸惑いながら問うアキラ。 ルードは何気なく答える。 「こいつは崎谷類、一応、おれの彼女だよ。なっ」 ルードは、類と顔を見合わせながら悪気なく伝えて来る。 「彼女……」 ルードの言葉に、胸が、ズキッと痛む。 それ以上言葉が続かない。 二人は、そんなアキラに気付かず会話を続けている。 なんとなく腹が立ってアキラは… 「ッルード!むこうでコウジが待ってるんだ、いくぞ!」 会話に割って入る。 「えっおい!アキラ?」 驚くルードを引っ張り進んで行く。 「アキラっ急に、なんだよ!放せって!」 ちょっと怒りぎみのルード。 「っ…悪りィ」 ぱっと手を放すアキラすぐに謝る。

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