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第23話
一方…
廃棄倉庫で、ヨシに追い詰められているアキラ。
「ッ放、せッ」
壁へ抑えつけ怒鳴るヨシ。
「てめぇ見てるとムカつくんだよ!遊び歩きやがって!」
一方的に言い放ちアキラの髪をきつく引っ張る。
「ぅ痛ッ!」
続けて、みぞおちを蹴りあげる。
「ッぅごほっ、かはッ、っ」
手加減なしのヨシの蹴りを受け咳き込んでしまうアキラ。
「撮影に来るな!まだ来る気なら俺に逆らうようなマネすんじゃねぇ」
「ふざ、けんなっ!」
息きれぎれになりながらも反抗する。
「てめぇは言いなりになってりゃいいんだよっ!」
首を抑えてキスしようと顔を近づけるが…
「っ嫌、ッ」
アキラはツバを吐きかける。
ヨシの頬へあたり…
「ッのやろッ!」
ヨシは、逆情してアキラの頬へ殴りかかる。
「ぅ痛ッ」
続けて殴り倒そうとした時。
「っアキラ!?」
少し離れた場所からの声。
その声にアキラは、身体をビクッとさせる。
(ッルード!?なんで!?)
信じられない思いで慌てるアキラ。
「アキラ!!」
自分を確認して近づいてくるルード。
ヨシも気付いて振り返る。
「ッ来るなっ!!」
アキラは力のかぎりルードに叫ぶが、ヨシはルードに目を止め不気味に笑いながら。
「へぇ…あの金色お前の?おい!捕まえてこいよ」
言うと先刻まで傍観していた連れに指示する。
「ッ駄目だっ!」
アキラはヨシから逃れようと必死になる。
「な、なんだよっ、あんたら!放せっ!アキラッ大丈夫っ?」
二人の男に連れられてくるルード。
アキラの様子をみて声を出す。
「ルードッいいから逃げろ!」
必死のアキラの言葉もルードには理解出来ない。
「えっ?おいッ!お前、アキラを放せっ!」
ヨシに向かって怒るが…
「嫌だね」
言いながらもう一発アキラを殴る。
「痛ッ…」
「!っアキラッ!やめろッてめぇ!アキラを放せよ」
アキラが殴られるのをみて気がきではなくなったルード飛びかかる勢いだ。
ヨシはアキラを強く壁に抑えつけながらルードに向かって答える。
「…放してやってもいいゼ、でも条件がある。サクヤのかわりにお前がここへ来るならな」
「えっ?」
一瞬意味が解らないルードだが、アキラが聞いたこともない弱い声でヨシに言う…
「ヨシッ!オレは何をされてもいい!ルードには手を出すなッ」
「フン!俺は、そいつに聞いてんだよ。代わりになるのかならないのか!」
アキラの訴えを無視しルードをみるヨシ。
「おれが行けば、アキラには何もしないんだなっ!」
「あぁ約束は守るぜ…」
微笑しがら約束するヨシ。
アキラはルードの言葉を聞いて、驚き名を呼ぶ。
「ッルード!?」
ルードはアキラの瞳をみて意を決したように言葉を出す。
「分かったよ…かわるから、アキラ放せよ」
「ッルード!やめろッ言いなりになんかなるなッ!」
止めようと叫ぶアキラ。
だが、ルードは思いを変える気はなくヨシに近づいて行く。
「っバカッなにされるのかわかってるのかっ!来るなよッ!」
アキラの言葉にルードは…
「でも、アキラをほっておけない!おれ、大丈夫だから」
不安そうにみるアキラにやさしく微笑む、ルード。
「ッ…」
「ははっイイお友達を持って幸せだな!サクヤ」
ヨシは二人の目線をさえぎって、言葉を挟む。
そして有無を言わさず…ルードの手を引き、代わりにアキラを突き放す。
「邪魔になんねーように捕まえとけよ!」
ヨシは連れに言ってルードの方へ向く。
連れは言われた通りにアキラを捕らえる。
「っ!放せッ!」
逃れようとするアキラを軽がる二人で抑える。
ひとつに結んでいた髪もみだれてしまっている。
「綺麗な顔してるなぁお前、アメリカ系か?その瞳気に入った…BOUSでもやっていけそうだな」
ルードの顎を持ち見つめながら言うヨシ。
ルードは無視するように、目を閉じる。
アキラは逃れようと必死になる…が、自分の力だけではどうにもならない悔しさがこみあげる。
「ルードっ!ッヨシ!やめろッ」
「うるせぇ!!諦めろ!これで口、塞いどけ!」
ヨシは怒ってバンダナを連れに渡し口を塞がせる。
「ふッぅ、ぅう」
強く口を布で覆われ息もしにくいアキラ。
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