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第25話

「う、ッーっはぁ…ッ」 フラつく頭を上げて、その影を目で追うと、アキラを抑えている奴らまで蹴り倒している。 その勇姿を見てルードは… 「すげぇ」 と感嘆する。 アキラは、身体を解放されて、マヒの続く腕で、ポケットから指にひっかけるようにして、液体の薬を飲み込み… すぐに、左足を引きながらでもルードの方へ向かう。 助けてくれた人物にみとれていたルードの視界が奪われる。 「ッごめん!!ルード…っ」 「ア、キラ…」 「それからッ、大バカやろっルードのバカッ!こんな、こんな事して、オレが喜ぶわけねーだろッ!!」 悲しそうな顔で、怒るアキラ。 「アキラ、おれなら平気だから…」 ボソっと答える。 「ばかッ!ならなんで泣いてんだよッ、このっウソツキっ!」 「えっ、あ…っふッなん、でだろっ」 両手を頬にあてて止めどなく流れる涙を拭うルード。 「バカだなぁ…おれって…」 ポツリと言う。 アキラはルードに身体を寄せ頭を撫でながら。 「ホントだよっ今度こんなマネしたら許さないからなッ」 やさしく言う… 「うん…恐かった」 アキラに寄りかかる。 そうこうしているとヨシたちを追い払って近づいて来る人物。 「OK!終わり!大丈夫?ルード君」 明るく声をかけてくるのは… 「っえぇ?こ、コウジ、っっ?」 ルードは、かなり驚いて名を呼ぶ。 「はい」 ヨシたちを余裕で追い払ったのは、小柄でかわいいコウジだったのだ。 「……つ、強いね、コウジ…」 「うん、僕5才の時から空手習ってたんだ」 微笑みながら教える。 「…は、ははっ」 「驚いた?でも、ひどい目にあったね、服も…」 「あー!!っそうだ!あいつおれの服破ったんだ!!」 いきなり怒りだすルード。 「服ぐらい買ってやるよ」 だいぶ薬が効いてきたアキラ…そう言葉を出す。 「うん、僕が買って来てあげる、待ってて!」 そう言い走って行ってしまう。 「…すごいね、コウジ」 「あぁ、兄ながら驚異を感じるよ…」 アキラの言葉に薄く笑う。 少しの静寂の時が流れる…。 不意にルードが口をひらく。 「ねぇ…アキラ」 「何?」 「今、おれとやりたいって思ってない?」 微笑みそんなことを聞いてくるルード。 「な、なに言って…」 少し慌てるアキラだが… 「おれは、やりたい」 「え!?」 「なんか嫌な気分なんだ…おれの中にまだあいつがいるような感じがして…」 アキラの瞳を見つめて言う。 「ルード……」 アキラへルードがキスをして… 「お願い、アキラ」 微笑しながら頼んでくる。 それを見てアキラの心は高鳴る。 「本トにいいんだな、大丈夫なんだな?」 ゆっくり体勢を変えつつ聞く…… 「うん」 アキラのキスからはじまり、肌へ触れていく。 「…は、ぅ…ん」 ルードは目を閉じて力なく反応を返す。 指を入れてみるとヌルっとした感覚。 抜いてみると指に血が絡みついていた。 「これは…」 さっきのプレイの悲惨さが、嫌というほど伝わってくる。 (ッくっ…ヨシッ!) ヨシに対する怒りの感情が、アキラを震わす。 「大丈夫か?」 もう一度聞く。 それにコクンと一回うなづく。 それを確認してそっと挿入するアキラ。 「んッ痛っぅ」 今にも力の抜けそうなルード。 アキラにつかまって痛みを過ごしている。 「っはぁ、アキ…ラはっ違、うッやさしい…ッからっありが、とッ」 アキラの耳もとできれぎれに言い、ついに意識を失ってしまう。 「っありがと、か…」 (それはオレのセリフだよ…) そう思い、ルードを抱きしめるアキラ…

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