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第26話

ルードは気を失ったまま死んだように静かに眠り続けている。 もう4時間、目を覚まさない。 服を買って来たコウジはルードに着せて今まで一緒に待っていたが、学校の宿題がまだできてないらしいから先に寮へ帰した。 「疲れたんだよな…それでなくても風邪ひいて体調悪かったし」 ルードを見つめながらアキラは静かに言う。 「う…ん」 「あ、目、覚めたか?」 アキラは笑顔になる。 「!!」 あたりが薄暗くなっているのに驚き、飛び起きるルード。 「うッ、痛ッ!」 とたん激痛がはしる。 「大丈夫か?すぐ動くのはムチャだ。4時間も寝てたんだから」 「そんなに!?あ、服コウジが?」 「そう、似合ってるよ」 「かっこいいな、ありがと。あれ?コウジは?」 「勉強あるから帰らせたんだ」 「そっか、じゃぁカラオケもダメだな」 残念そうに言うルード。 「また来ればいいさ、今日は身体休ませないと…」 「うん、でもたいしたコトないんだけど…」 アキラの言葉に頷く。 「いーや、ある!じゃないと4時間も寝続けないぞっ」 「……」 「あんまり起きないから心配しただろっ」 ルードの額を小突くアキラ… 「ご、ごめん」 気はずかしくなるルード。 素直に謝る。 「ばぁか、お前が謝る事はない、本当に悪かった。オレの問題に巻き込んで、オレのせいで……ゴメン」 「悪いのはあいつらだよ!アキラじゃない」 やさしく笑って言ってくれる。 「……」 「帰らないとね」 ルードが立ち上がるのを手伝うアキラ。 「いっイタッ」 なんとか立ち歩きだす。 「ッ、だぁっもうッなんでこんなに痛いんだよっ前はこんなに後まで引きずらなかったのにッ!」 そうキレかかる。 「ルード……」 「オレ、あいつ大嫌いっ乱暴で、おれを物みたいに扱う…思い出しただけで腹立つ!」 怒ってしまうルードを… 「思い出すなよ」 「え?」 アキラがそっと後ろから抱きよせる。 「オレがつらくなるから…」 「アキラ……」 そして、ぎゅっと少し抱きしめる腕に力をこめた。 ……やさしいけど、せつない。 その後、二人は車を呼び家へ帰っていった。 《最悪な出会い》終

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