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《予期せぬ展開》
夕方、小学校の教室。
いつものように帰りの支度をしているルード。
今日は日直で少し帰りが遅くなってしまい急いで教室をでる。
靴に履きかえて校舎を出るときれいな夕やけが目にはいる。
放課後ということで、校庭に人影はない。
そんな事はおかまいなしで近道の遊具の裏を通って帰る。
しかし、突然、後ろから大きい手で口を抑えられ、そのまま身体を抱えられて連れさらわれる感覚。
「!?」
一瞬、何が起こったのか理解できなかったが……。
「んッ!うぅーッ!!」
状況に気付きおもいっきり暴れる。
「ちッ…」
ルードが暴れたためバランスを崩した犯人。
しかし、慌てる事なく裏門近くの背の低い木々の間に、二人揃ってすべり込む。
「久しぶりだな、覚えてるか?」
ルードの上に乗りかかるようにし、話かける人物。
「あっ!あんた、あの時のッ!!」
顔を見てゾッとする。
「ああ!ヨシってんだ。覚えとけ」
「知るか!おれは帰るんだ、放せよッ!」
身体をひねって逃れようとする。
「おおっと、逃げられちゃ困るんだよね」
ヨシは、手慣れた作業でルードの腕を背中に回しひもで縛る。
「ッやめっ!」
驚き声を上げるルードに、ヨシは…
「しッ!静にしな、こんな所、誰かに見つかりたいのか?」
抑えながらキツめに言う。
「うっ…」
「そうそう、ものわかりがいいから好きだぜ」
笑いながらルードへ向かい言うヨシ。
「どーしようってんだ、おれを」
「前に言ったよなぁ、サクヤの代わりになるって」
「知らないねっ」
顔を横に背ける。
「ふん!じゃあよぉ、お前サクヤのことを、もっと知りたくねぇ?」
薄く笑いながら誘うヨシ。
「な…に?」
「見せてやるって言ってんだよ!サクヤの出た撮影を」
「…!!」
気にならないと言ったら嘘になる。
アキラが男と寝てお金貰っているなんて…信じられない、嘘だと心に思ったが…。
「知りたいんだろ、来たら教えてやるよ」
「ッいい!見たくねぇよっおれは帰るんだ!」
待っている人がいる。
「ッやっぱりな!なら力づくでも来てもらうぜッ!」
ヨシは怒ったように言い…
有無を言わさず、ルードを抱え門の近くへ止めていた、ワンボックスカーの後部へ放り込む。
「痛ッ」
座席を倒した場所は意外と広いが、放られ衝撃が伝わる。
ヨシは車にエンジンをかける。
「ッどこに連れて行く気だよッ!」
ルードの問いに…
「誰も来ない場所…」
低い声で答える。
それに恐怖を感じ身体を震わせてしまう。
20分ほど走っただろうか、車は停まる。
車庫らしい場所は、まっ暗だ。
「さて…」
そんなヨシの声にビクっとする。
(やっぱ、ヤられんのかな…嫌だな)
以前の記憶が蘇り…思うが…
「ここは、俺ん家の車庫だ、他の奴は誰も来ない」
そう言うと車内ライトをつけ、ルードのいる後部へ乗り込んでくる。
「見せてやるよ、裏のアキラの顔をな…」
ヨシは、言って、車内に取り付けてあるDVDTVをONにする。
「あれだよ、最初のヤツ、9才だったかな、アイツのネーム、サクヤで売ってんだ」
急に映る暗い映像。
音楽が流れ…次第に音声に変わっていく。
ヨシは軽く説明し、ルードの服を脱がしにかかる。
その映像に気をとられているルード。
急に音声が、高くなった。
『ッ嫌、やッいやだっ、ッぅ』
(えっ……)
見れば、まだ小さな身体の少年を二人がかりで抑えつけて、それから。
(…ひどい…)
あまりの映像に固まっていると、ヨシに上を脱がされていた。
気付いた時には…。
「あッやめっ」
ヨシの舌はルードの胸を、そして、キズの残るヒフをなぞりはじめた。
「ふ、ッ嫌、はッぁっ」
傷の上は感覚神経をモロに刺激するので、ルードは耐えられず身体をよじるが後ろで両手を拘束されているので、意味がない。
「ぁッ、嫌っ放せッ、っ」
同時に聞こえてくる幼いアキラの悲鳴にも近い喘ぎ声。
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