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第31話

「マジ?もったいないな」 「あのなぁ……」 「でも、羨ましいな」 優しく言ってルードを抱きよせるヨシ。 「……ヨシ、おれさ今日の事アキラに知られたくないんだ。アキラすごくおれが他の男にやられるの嫌がってたから、知ったらショック受けると思う、それ見たくない」 「……あぁ」 「あっ!今何時だ?」 思い出したように言う。 「えっと!六時だな……」 腕時計を見て答える。 「げっ、もうそんな時間!?もうアキラに隠すのムリだな…」 表情を暗くする。 「悪かったな…軽率だった」 「いや、終わったことはいいよ、それにあんた…」 言いかけて顔を赤くする。 「なになに?俺そんなに良かった?」 ヨシの意地悪な問いに、ルードは開き直って言う。 「あぁ!すっげぇ良かった!どこで習うんだか!!」 赤面のルードに…。 「うれしいな、ルードに認められて……」 瞳を合わせ伝える。 「……っ」 顔を赤らめたままそっぽ向く。 「シャワー浴びてけ、それから送って行くから、がんばって誤魔化して…」 そうきり出したヨシ軽く頬にキスを残して、離れる。 「うん、ありがとう……」 言って立ち上がろうとするが… (……おれ腰抜けてんのかな) などと考えていると… 「ちょっと後ろ向いてみろ…」 「えっ?」 ヨシはルードの腰のあたりをグーで軽く三回ほどたたく。 「あたたっ」 「それで少しはマシに動けるだろ」 ヨシの言うようにたたかれてスッと腰が軽くなる。 「あ、ほんとだ。すげぇ…」 「だてに8年も、この仕事やってねぇからな…」 言い服を渡してくれながら微笑む。 (この人笑うとかわいいんだな…) などと思ってしまうルード。 「良かったらさ。ホント遊びにこない?今親父もいないし、なんかお前と居たら自然でいれられるんだ俺…」 「ヨシ……」 「あ、ダメだな。良く考えたら」 「えっ?」 「俺んちルードの家から遠いんだ、わりぃムリな事だよな…」 「ま、待てよ!今日みたいに迎えにくればいいだろ…」 「え、でも…」 「な、なんとかなるよ、んな事聞いたらほっておけねーだろ、おれだって来たいし、あっ」 思わぬ言葉が出て驚く。 「本当にほんとうか!?」 ヨシも驚いて聞き返す。 ルードは無言で頷く…。 次の瞬間すごい笑顔で抱きしめられた。 そのまま、Kiss。 「っん、ふッ」 絡めた舌が神経を刺激する。 甘い熱い時がながれる。 そして、静かに離れ… 「ありがとう」 ヨシは言いルードを抱きよせる。 ヨシの行動ひとつひとつに動揺してしまう。 (どーしたんだよおれ…ヨシといるとドキドキする) などと思いながら全身でその温かさを感じていた。 「じゃ、気をつけて帰ってな……」 「うん、じゃね」 ルードの言葉に、やさしく微笑み車を出したヨシ。 時間は夜七時前…。 ルードはアキラにどう言い訳をしようか考えながら。 「嘘つくんだよな……おれ」 ポツリとつぶやくロックのかかったアキラの家門の前まで来てインターホンに手をかけ戸惑っていると… 「ルードッ!!」 後ろから大きな声がした。 そこには黒い人影… 「アキラっ!」 急いで近づく。 「アキラ、ごめん心配かけて……」 「ど、どこ行ってたんだよ、本っトオレはてっきり…」 「…うん、ちょっと妹とトラブっちゃって、帰るに帰れなくて……ごめん」 罪悪感に押されながらもついた嘘。 「あぁ、そうだったのか、本当に、心配したんだからな!」 簡単にルードを信じるアキラ… 「うん、ありがと……今度あったら出来るだけ知らせるから」 (今度、か……) ルードはアキラに柔らかく抱きしめられる。

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