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第35話

……PM9:30。 三階建のアキラ宅。 いつもとかわらずアキラとルードは三階の部屋で過ごしていたが、異変はこの直後に起きた。 ガタガタッ! ……ガシャンッ 「!?」 一階から何か割れるような音が、部屋まで響いて来た。 「今、何か音した?アキラ?」 ルードが声を出すが…。 「……しッ」 アキラはルードの口を抑えるようにして、耳を澄ます。 かすかに聞こえてくる怒鳴り声。 一階だ。 (オラッサクヤ!どこだ!) 「なッ!?この声は……そんなバカなっ」 その声を聞いて動揺する。 「…どうしたんだよ、アキラ?」 その様子を不振に思い聞くルードだが… 「どうして……」 戸惑ったが、足音がこの三階の部屋へ近づいてくる。 「ッルード!早くベランダに出てろッ!」 「えっ?」 考える暇はなく、すぐ隣にいるルードを隠す事を優先させる。 「オレが何をされてもお前だけは絶対に見つかるなッ!絶対に!!」 すごい迫力のアキラに驚くルード。 有無を言わさず、ルードをベランダの外に出して、カギをかけ、カーテンを閉める。 「な、アキラ!?」 状況が理解出来ないルードだが、カーテンの隙間からアキラを見る。 間をおかず、部屋の戸がすごい音をたてて開く。 「見つけたゼぇ!サクヤだな…」 部屋に堂々と入って来る大柄の男。 「っタツ!……ユウ、どうやって」 後から入るユウ。 姿を目にとらえ、少し下がりながら聞いてしまうアキラ。 「あぁ?セキュリティ解くのはすげぇ苦労したぜ。なぁユウ…」 「……サクヤ、お前が撮影に来なくてどれだけの人に迷惑をかけていると思っているんだ」 タツを無視して、ユウはアキラを見て言わなくてはならない言葉を口にする。 「オレは、もうBOUSを辞める!」 叫ぶように言い返す。 「そんな勝手は許されねぇんだよ!」 タツはそう怒鳴ると、アキラの胸ぐらを掴み上げる。 「傷ひとつねぇ人形みてぇな奴だなぁ……」 アキラの顔をまじまじと見つめるタツ。 すでにユウは戸の位置からカメラをまわしはじめる。 「ッ放せっ!!」 振りはらおうともがくアキラにタツは両手を抑え無理やり唇を奪う。 「んッ!」 壁に抑えつけキスを続ける。 抵抗して口を開けないアキラに膝蹴りが、おもいきりみぞおちへ入る。 「ケホッ痛、ャ……ぅっ」 せき込むアキラ、開いた、口腔内へタツは舌を侵入させていく。 「っん、嫌ッ」 なんとか逃れようとするが、今度は平手で顔を殴られベットへ飛ばれるアキラ。 「痛ぅ…」 痛みに呻く。 「お前、次の撮影は少々顔に傷があろうが関係ねぇらしいからなぁ遠慮しねーゼ」 笑いながらベッドに埋もれるアキラにのりかかる。 「っいやだッ!触るなッ、痛っ」 抵抗する手をタツはベルトで後ろに縛りあげる。 タツはアキラより30㎝近く背が高い。 体格からしてもアキラに勝ちめはないが、けっして屈しないアキラ。 タツは軽く鼻で笑う… 「ふん」 そしてアキラの上着のボタンに手をかけ力まかせに引きちぎる。 「やッめ……ッ」 ベッドへ抑え込み… 「イイ目つきしてるなぁ!泣く所が楽しみだぜ」 タツを睨みつけるアキラへ言葉を出し、頬を2、3回殴り、はだけた胸を舌でなぞっていくタツ。 「ィっ、嫌ッだ…は、ぅ、ァッ」 無理やり性感帯に触れられ、反応を返してしまうアキラ。 「そうそう、その顔を客は楽しみにしてんだよ!」 タツは自由を束縛したまま、触り続ける。 アキラのズボンの中へも手を入れていき乱暴に触って、タツの思い通りにならないと殴りつける行為を繰り返す…… 「っャ、ッァっ、ぅッん、嫌ッ」 その光景をカーテンの隙間から見ていたルード。 声も出せずに立ちすくんでいた。 (っアキラが……) 『何をされても』 ってこう言う事!? 『絶対に見つかるな!』 アキラの強い声が頭に響いて動けないルード。

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