37 / 82
第37話
根はやさしいユウ、それは知っている……
でも……、
「ぅ…痛ッ」
(……15分って、どの、くらいなんだ……っ早く終わりにして欲しい…)
激しくツラぬいてくる奴に、もはや抵抗する力もなく、気を失わないでいる方がツライ状態のアキラ。
「タツ!もういい、時間だ!」
フッと聞こえたユウの声、天の声かと思えた。
「……ふん!ッ待てよ、イクまでヤらせろっ」
「ッくゥっ、ッ」
急に揺れる速度を早められアキラは止める間もなく、意識を失う。
「……チッ!」
それを許さないタツ。
バシッ思いきり右頬を殴りつける。
「痛ァっ!!」
アキラはビクッと身体をヒキつける。
「もういいだろッそこまでだッ!!」
ユウは見ていられなくなり、タツへ厳しく怒鳴る。
「っ…ハイ、ハイわかったよ」
言いながら、アキラの中に思いを遂げ乱暴に抜くタツ。
「痛ぅ、ゥー……」
朦朧としているが、なんとかまだ意識のあるアキラ。
「オイ!サクヤッ今度の撮影日は、11/3PM1:00 だ!その日に来なかったらこんなモンじゃ済まさねぇからな!!」
首を掴んでそう伝えると、腕を拘束していたベルトだけ抜き取り、二人は出て行った……。
何も出来ずに時が過ぎる…。
動けない……。
……身体が動かない……。
頭の中には、外にいるルードを早く中に入れないと、10月末でも夜は冷える。
もう、かなりの時間が経ったはずだから。
(でも…身体がッ)
「くッそぅ、ッ」
しびれる身体にムチ打って、ベランダの方へ這うようにして行く。
立とうにも足が立たない。
ようやく戸までたどりつき、つかまり、立ち上がる。
カギを開け、カーテンと戸を開ける……。
「…ルード……」
カスれた声で呼ぶ。
ルードは戸の下の方でうずくまり震えていた。
「…ごめん……ルード……身体…冷えたな…」
とぎれとぎれに伝えるアキラ。
ルードは途中から見ていられなくなり、耳を塞いでまるくなっていたのだ。
「ふッ、ぅッ……」
振り返ったルードは大つぶの涙を流している。
「な、んで、お前が…泣いてん…の?」
(泣きたいのは、オレの方だよ……)
心で思うと同時に、身体の力が抜けて気を失うアキラ……。
「アキラッ!!」
慌てて呼ぶルード。
その声も遠くで聞いたような感覚でその場に埋もれてしまった。
長時間におよぶSEXの強要で体力の方が限界にきていたのだ。
「アキラっ?」
呼んでも返事はない。
乱れた髪、服や身体には、誰のモノか分からない白濁とした液がかけられていて、顔にも、ルードはタオルを使ってそれを拭っていく。
青白く、不健康そうな顔だ。
「……っ」
泣いてる場合じゃない!
そう思いなおしてルードは、アキラを、まだ生温かい乱れたベッドを、アキラを寝かすために綺麗に片付け始める……。
粗方、片付け終わってアキラをベッドへ運んで寝かせる。
起きる気配はなく眠り続けるアキラ。
その顔は、痛々しく赤くはれている。
気付いたら自分もかなり身体が冷えていた。
そのせいでアキラの熱っぽい身体は火のように熱く感じられた。
その熱に、すがりつくルード。
「っぅ……ッ」
小さく呻くアキラ。
それでも放したくなかった。
嫌な気分だ……自分がヤられるのとは違う…イヤな感じ……大切な人を傷つけられる怒り。
どうにもならないもどかしさ……。
ともだちにシェアしよう!