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○第47話○

これが夢なら、永遠に覚めなくていい。 これが現実なら、夢にして、永遠に繰り返していたい。 千秋ちゃんの唾液がたっぷりとついた指がとても美味しそうに見えて、当初の目的も忘れてそれを口に含んだ。 「千秋ちゃん、服、脱いで」 「なっ、えっ……?」 そう言えばようやく僕の発言の意味に気付いたのか、千秋ちゃんは可愛い顔を真っ赤に染める。 「男同士でもセックスは出来るんだよ。最初は千秋ちゃんとが良かったから僕も知識でしか知らないけど……でも、きっと大丈夫」 驚く彼を、口に入ったのとは反対の手でそっとベッドに押し倒す。 それでも決心のつかない彼は許しを請うようにこちらを見ていて、いつもだったらここでやめてしまうんだろうなと思った。 でも、今日はもう止まれない。ずっと、ずっと望んできたことが、今叶えられようとしているのだから。 「千秋ちゃん、お願い。早く……」 出た声は予想よりも震えていて、それを聞いた千秋ちゃんが目をぎゅっと閉じた。 見たくないと言われているような気がして、そんなの許さないと手を伸ばしかければ、到達する前にパチっと開いた目がこちらを見つめる。 「……そんな不安そうな顔するなって」 そう言ったかと思えば、彼は小さく息を吐いてもぞもぞと動き出した。上半身を纏っていた服が上へと動いて、彼の肌を見せる。 それがあまりにも綺麗で、そして「よし」と言ってもらえたように思えて。千秋ちゃんのズボンのベルトを片手で外しては、待ちきれないとばかりに彼の肌を隠すもの全てを下におろした。 「待っ……!」 「もう待てない」 寝転んでいるせいで膝のあたりで止まってしまったけれど、完璧に脱がす時間も惜しいほどに早く千秋ちゃんのそこに触れたい。 「千秋ちゃん、愛してる……」 「僕も……って、何回言うんだよ」 そう彼は呆れるけれど、やっとこの言葉を受け取って貰えるようになったんだ。その上、愛してるが返ってくるなんて、これ以上に幸せなことなんてないだろう。 やっと濡らした指を使える時が来たと、千秋ちゃんのお尻にそっと添わせる。そのまま割れ目に指を滑らせて、男同士の時に使うというそこへと辿り着いた。 「痛かったら言って」 「……っ!」 痛そうに息を詰める彼に、申し訳なさが募る。 こんな日が来るなら、ちゃんとローションを買っておけばよかった。でも、そんな液体に千秋ちゃんの感触を邪魔されるのも嫌に思えて、やっぱりこれで良かったと思う。 僕たちの間には何も要らない。人も、物も、何もなくていい。……何もない方が、ずっといい。

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