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第14話
「おまえには強いオーラがあるからだよ。この世界で成功するために絶対必要な。それをみんな分かっていたから、黙っておまえを優勝させた。オレがあの日、おまえに声をかけたのも、他の事務所のやつらにかっさらわれないようにするためだ」
「月野さん……」
「あまり期待しないで行ったオーディションだったんだ。規模も小さいし、そうそうスター性のある人間には出会えないしな。実際、芸能事務所で審査員だったのはオレだけだったし。でもおまえを一目見たとき、オレは自分の幸運に感謝したよ。絶対おまえが欲しいって思った」
切れ長の瞳で見つめられ、そんなことを言われて、ひなたは思わず真っ赤になってしまった。
なんだか愛の告白を受けてるみたいで、切なくなっちゃうよ……月野さん……。
「オレはオーディションの日、社長に願い出たんだ。朝比奈ひなたを育ててみたいって。だからオレを、ひなたの専属マネージャーにしてくれって」
「えっ……」
「今までもずっとオレはおまえのマネージャーだったんだよ。それはこれからも変わらない。オレはおまえの傍にいるよ」
「月野さん……、本当に?」
「ああ」
「良かった……」
ひなたの心に安堵とうれしさが込み上げる。
「そうとばかりは言ってられないぞ。これからは多分、モデルをしていた頃より忙しくなると思うから、覚悟しておけよ」
「え?」
「演技のレッスンを受けてもらうことに決まったからな」
いきなりそんなふうに言われて、ひなたはまたもやきょとんとしてしまった。
「役者になりたいんだろ?」
「あ……!」
憶えていてくれたんだ、月野さん、オレが言ったこと……。
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