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第18話

「……とにかくひなた、今夜はもうお開きだ。帰るぞ」 「えー、まだ帰りたくなーい」  なんだか今夜は月野さんにすごくわがままを言いまくりたい気分。  酔いって、なんだかすごい。  自分が何を言ってるのか、どんなわがままを言ってるのか、自覚しながらも、別にいいじゃんーって気持ちが大きくなるっていうか、素直になれるっていうか……。 「だめだ。帰るぞ」 「えー」  月野は強引にひなたの腕をつかんで立たせると、肩を抱くようにして支えてくれた。  前後不覚になっているわけではないので、恋人同士のような体勢に、ひなたの胸の鼓動が痛いくらい速くなる。  オレがドキドキしてるの、月野さんにも分かってしまいそう……。 「おい、ひなた。タクシー乗るまでは寝るなよ」 「うん……」  月野さん、いい匂いがする。男性用の香水かな……?  酔った頭でぼんやりと思う。  背は高いし、顔は文句なしのイケメンだし、月野さんこそモデルみたいだよね。  月野がカードで支払いを済ませると、ひなたは半ば彼に抱きかかえられるようにしてタクシー乗り場まで歩いて行った。  ちょうどとまっていたタクシーの後部座席に二人して乗り込む。

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