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第34話
「月野さっ……」
ひなたは必死に月野の手をそこからはがそうとしたが、力が入ってくれない。
「ひなた……、いいから、ジッとして……」
「あっ……や……」
月野がひなたのうなじに口づけを繰り返しながら、ひなたのそれを淫らに愛撫してくれる。
ここしばらくは忙しくて疲れ切り、自慰をする元気もなかったひなただったが、十七歳の健康な男子として、体はそれを求めていたようだ。
「あっ……月野さんっ……」
好きな人の手で昂ぶりを愛され、ひなたは今まで経験したことのない大きな快感を覚え、絶頂へ昇りつめた。
イッたあとの浮遊感にたゆたうひなたのお尻に固いものが当たっている。
えっ……? 月野さん……?
それが月野の雄だと気づいたとき、彼が体を離そうとした。
ひなたは慌てて体の向きを変え、離れようとする月野の体に抱きついた。
「月野さん……」
月野の表情は陰になっているため、よく見えない。でも、ひなたは必死で月野にしがみついた。
「オレにも月野さんを愛させて」
「ひなた……」
月野がひなたのほうを見た。戸惑いも露わな表情。
ひなたは月野の体にしがみつきながら、華奢な手を彼の昂ぶりへと這わせた。
……うわ……、おっきい……。
月野の雄は、ひなたのものとは比べものにならないくらい大きかった。彼のパジャマと下着の中へ手を入れようとするひなたを月野はとめた。
「……月野さん、オレじゃ月野さんを気持ちよくさせてあげることは、できないの?」
ひなたが落ち込むと、
「違うんだ……ひなた……」
月野はそう言うと、体勢を変えて、ひなたの上へ伸し掛かる形になった。
そして衣擦れの音。
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