43 / 55

第43話

 途中の洋菓子店でケーキを買って、月野のマンションへ帰った。  この部屋に入り、二人きりになった瞬間から、二人の関係はマネージャーとタレントから、恋人同士へ変わる。  二人はドアが閉まるのももどかしく、唇を重ねた。  最初はチュッと触れ合わせるキスから始まり、やがて舌と舌を絡めるディープなものへと移っていく。  ひなたはまだ大人のキスに慣れなくて、たどだとしく月野の舌へ触れてくるのがたまらなくかわいい。 「ん……」  深いキスの快楽に溺れて、ひなたは立っていられなくなったようで、月野が抱きかかえてリビングのソファへと運んでやった。  ぐったりとソファへもたれて、しばし激しいキスの余韻に浸るひなた。  彼の柔らかな髪を月野は優しく撫でてやる。 「……ひなたは本当に感じやすいんだな」 「月野さん……、その言い方、なんかヤラシイよ……」  ようやく快感の余韻から抜け出せたひなたが、頬を染めて言い返してきた。 「だって本当のことじゃないか。この前なんかキスだけでイッた――」 「月野さんっ……」 「はいはい」  ひなたはしばらくのあいだ、真っ赤になったままソッポを向いていたが、やがて月野のほうを見て、上目づかいにお願いをしてきた。 「もう一つの誕生日プレゼントをねだってもいい?」  クリッとした大きな瞳でそんなふうにねだられると、どんなお願いでも聞いてあげたくなる。 「ああ」 「あのね、今日が終わるまでは、オレの言うことなんでも聞いて欲しい」

ともだちにシェアしよう!